2002年1月25日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は二十四日、国会内で定例の記者会見をおこないました。この中で、内閣官房が二十二日に自民党の国防関係合同部会に提出した、有事法制「整備」の基本方針に関する文書について、「私たちは、かねてから有事法制の真のねらいが、米軍がアジアで戦争を起こした際に日本を総動員するための体制づくりにあるのではないかとのべてきたが、この文書はそれを裏付けるものだ」と指摘。「日本の平和や安全、人権を壊す、憲法違反の立法であり、急速に反対のたたかいをおこしていく必要がある」とのべました。
同文書は「有事法制の整備について」と題するもの。「有事法制が対象とする事態」として「我が国に対する武力攻撃の事態」とあわせ、「武力攻撃に至らない段階」をあげています。
志位氏は、政府はこれまでともかく公式には有事法制について「日本有事に対応するための法制」と説明してきたが、「今回の文書は、『武力攻撃に至らない段階』でも有事法制の対象にするという点で、これまでの公式の立場を大きく踏み越えており、非常に重大だ」と強調。
米国がひきおこした介入戦争に日本が参戦することを定めた「周辺事態法(ガイドライン法)」の発動対象である「周辺事態」も、内閣官房文書でいえば、「武力攻撃に至らない」事態に該当し、有事法制の対象とすることに道を開くことになると指摘しました。
「周辺事態法」には自治体や民間の動員規定(九条)があるが、政府は民間の動員について「あくまで協力の依頼であり、義務は発生しない」と説明してきたことにふれ、これが有事法制の対象になれば、自治体や民間も罰則つきの強制力をもって動員される体制づくりにつながっていく危険があると指摘。
今回の有事立法策動の出発点が、「ガイドラインをしっかりと実施せよ」という米国の要求にあることを指摘しつつ、「政府・与党がねらう法制化のアプローチ、手順にはまだ不確定の要素があるようだが、全体としての狙いが、『米軍有事』の際に、国民の基本的人権を制限し、戦争に動員することにあるのは明りょうとなりつつある」と強調しました。
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