日本共産党

2002年2月23日(土)「しんぶん赤旗」

ムネオ・ハウスは"丸投げ"

首都圏の大手企業に

鈴木議員秘書 元請けと下請け仲立ち


 鈴木宗男自民党衆院議員の入札介入が問題になっている「ムネオ・ハウス」(国後島の緊急避難所兼宿泊施設)で、工事を受注した根室管内の共同企業体(JV)が、実際には現場監督一人を出す程度の仕事しかせず、首都圏に本社を置く大手企業に“丸投げ”していたことがわかりました。工事をめぐっては価格水増しの疑いが浮上しており、金の流れをふくめた今後の解明が求められています。


 ムネオ・ハウスの入札は九九年七月におこなわれ、根室管内の渡辺建設工業(根室市)と犬飼工務店(中標津町)の共同企業体(JV)が、四億一千六百八十五万円で「支援委員会」から受注しました。

 両社とも鈴木議員に献金しており、両社JVが契約できるような入札の仕組みを、同議員が外務省に指示したことが日本共産党の調べで明らかになっています。

 両社JVは、契約直後に、大手エンジニアリング会社日揮(本社・横浜市)と下請け契約を締結。さらに日揮は、大手プレハブメーカーのコマツハウス(本社・東京)に下請けさせました。

 日揮広報部によれば、日揮が元請けと契約した価格は三億五千万円。元請けが「支援委員会」と契約した価格から七千万円引いた額でした。日揮はこの金額で工事全体を下請けし、さらに本体建築工事を約一億三千万円で、コマツハウスに孫請けさせました。コマツハウスは、施設について「内装から、電気、ガス、水道工事など本体建築工事のすべてをおこなった」(コマツハウス業務部)といいます。日揮は、資材などを運ぶ船舶の手配などをおこないました。

 元請けの両社と下請けの日揮、工事コンサルタントの日本工営は、入札約一カ月前の九九年六月三日、釧路市の鈴木議員の事務所で、同議員の宮野秘書による引き合わせを受けていました。

 この工事では、鈴木議員が外務省に指示して設定した入札条件によって、入札参加企業が一社に限定され、無競争で渡辺建設工業を主とするJVが契約しました。しかし、実際に渡辺建設工業が派遣した社員は、現場責任者の一人だけ。工事はほとんど「丸投げ」状態で、約七千万円を手にしたことになります。

 外務省は同工事について内部文書で「事業費積算が水増しされた可能性がある」と指摘しています。

 


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