2002年2月27日(水)「しんぶん赤旗」
日本共産党の塩川鉄也議員は、二十六日の衆院予算委員会で信金・信組破たんの原因となっている金融庁の検査マニュアルにもとづく異常な検査実態を告発し、マニュアルの見直しを求めました。
塩川氏は、「(破たんの)原因は金融庁の異常な検査にある」として、一月に破たんに追い込まれた船橋信用金庫の事例を示しました。金融庁は前回調査時(二〇〇〇年六月)、赤字でも延滞していない場合は正常先(貸出)としていたのに、今回の検査では認めず、不動産の担保評価についても、これまで不動産鑑定士の評価を百パーセント認めていながら、今回は90%しか認めませんでした。
「おかしい」と迫る塩川氏にたいし、柳沢金融担当相も「(不動産鑑定士の評価は)そのまま、認めるということだと思っていた」と、検査の内容が異常であることを認めざるを得ませんでした。
塩川氏は、各地の信金関係者から「信金がいくら取引先の長年の実績や経営者の人柄、商売の可能性などを総合的に判断しているといっても、検査官は聞く耳を持たなかった」という声があがっていることを紹介。
「財務諸表だけみるマニュアルで、中小企業の『人』をみた判断ができるのか」とただしました。
柳沢金融担当相は、「金融検査官が金融機関の貸し出し先の『人』を見るのは難しい」と答弁し、細かい査定はしないという態度を示しました。
塩川氏は、船橋信金破たんの三日前、金融庁が与党幹部のために作成した内部文書で「いくつかの信金信組については、破たん処理を実施。早急な受け皿確保に努める」と明言していることなどを指摘し、「金融庁が“巧妙に”主導した破たん劇だったのではないか」と追及しました。
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