日本共産党

2002年2月27日(水)「しんぶん赤旗」

鈴木氏の働きかけ確認か

入札介入疑惑で外務省調査


 自民党の鈴木宗男衆院議員による国後島の「ムネオ・ハウス」(友好の家)入札介入疑惑で、外務省の調査チームは二十六日までに、担当職員らから事情聴取した結果、業者の入札資格設定をめぐる働きかけなど、鈴木氏の介入があったことを確認したもようです。聴取を受けた担当職員は、コンサルタント会社と受注企業が鈴木事務所で入札前に会っていた経緯を調査した一九九九年十一月の会議も事実であることを認めたもようです。

 調査チームは同省参与の園部逸夫元最高裁判事を中心に欧州局や総合外交政策局などの職員で構成。二十三日から当時のロシア支援室担当職員ら約二十人から事情を聴いています。政府は早ければ週内にも調査結果をまとめ公表する方針です。

 日本共産党の佐々木憲昭、木島日出夫両衆院議員が国会で明らかにした外務省の内部文書では、(1)「ムネオ・ハウス」の入札に鈴木氏が介入し、地元・根室管内にある同氏の後援企業だけが入札できるようにした(2)入札前に予定価格を知り得るコンサルタント会社と同氏の後援企業が鈴木事務所で秘書立ち会いのもとに会ったこと、この問題の調査のため発注者である外務省関連団体の「支援委員会」が会議を開き、同省担当職員も同席していた――ことが明らかになりました。川口順子外相はすでに同文書の存在を認めています。

 川口外相は二十六日の衆院予算委で「(調査の)途中経過は聞いていない。(その)内容については確認することができない」とのべました。


「根室管内に要請は事実」

鈴木議員認める

 自民党の鈴木宗男衆院議員は二十六日、国後島に建設された「ムネオ・ハウス」の入札介入疑惑についてコメントを発表しました。このなかで、「工事参加業者を北方四島の地元である根室管内にするように要請したことは事実」と、入札参加資格を根室管内の業者に限定するよう外務省に働きかけたことを認めました。

 そのうえで、「地元の市町村、商工会議所の要請や、北方領土返還運動の政策理念からも当然のことと理解し、その要請をなしたものだ」と弁明。入札には、同氏の選挙地盤の根室管内Bランク企業一社しか参加できないように枠組みをつくったことについて、「それは業者選定の一般的枠組みの問題であり、個別的業者の選定とか入札に関しては一切関与していない」と釈明をしています。

 また、外務省が進めている同氏の疑惑調査の対象に、鈴木氏側の関係者も加えるよう「弁護士を通じて外務省に要請した」ことを明らかにしました。

 


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