2002年2月28日(木)「しんぶん赤旗」
鈴木宗男自民党衆院議員が官房副長官の時代に、同議員私設秘書、ジョン・ムウェテ・ムルアカ氏が、外国の優秀な若手研究者に日本での研究機会を与えるための旧科学技術庁の給費制度を適用され、二年間で約一千万円を受けとっていたことが、本紙の調べで判明しました。
この制度は、研究に完全に専念できる環境を保障するため、生活費、家族手当、住居費などを全面支給するもので、ムルアカ氏への支給は月額にすると平均四十五万円。政治家の私設秘書がこの制度の適用をうけるのはきわめて異常な事態で、文部科学省の科学技術・学術政策局は本紙の取材にたいして、「制度の前提は研究に専念する者だ。応募の時点ではムルアカ氏が秘書であったことは知らなかった」と釈明しています。
ムルアカ氏がうけていたのは、旧科学技術庁がつくったSTA(科学技術庁)フェローシップ制度。応募資格としては、原則として三十五歳以下で、科学技術部門における博士号かこれと同等の資格を有する者とされ、最長二年間、生活費、家族手当、住居費などが支給されます。
ムルアカ氏は、一九九九年三月三十一日から昨年三月三十日までの二年間この制度を適用され、生活費、家族手当など総額一千八十万円を受け取っています。
この間、ムルアカ氏は、鈴木内閣官房副長官の私設秘書として、「身長二〇九センチ秘書 永田町を走る」などと新聞でも報道されました。当時、「駐日コンゴ大使館通商代表機関代表」の名刺を使い、駐日コンゴ大使交代手続きにも関与したとの疑惑も出ています。
ムルアカ氏は八九年四月に東京電機大学工学部二部電子工学科に入学、九三年三月に卒業。その後、同大研究員をしたものの応募の際に博士号はなく九九年十一月に論文を提出することで博士号を取得しています。
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