2002年2月28日(木)「しんぶん赤旗」

「慰安婦」問題

国連提訴10周年で集会

吉川議員　政府は個人補償と謝罪を

　二十六日、東京都内で「慰安婦」問題国連提訴十周年記念集会が開催されました。

　はじめに戸塚悦郎神戸大学大学院助教授が「『慰安婦』問題と国連の十年」と題して記念講演をおこないました。戸塚氏は自身が一九九二年二月に国連人権委員会に初めて「慰安婦」問題をＮＧＯとして提起した経験を語りました。同氏によると、現在、焦点となっている「ＮＧＯ排除」問題は九二年から発生しており、外務省は情報の隠匿・わい曲をおこない、一方ＮＧＯは真相を伝えるため両者の報告が一致しないという事態が何度もあったといいます。

　また外務省のある課長が国際法律家委員会（ＩＪＣ）の「従軍慰安婦」問題に関するリポートを八十日間も机の引き出しにしまい込み、政府に伝える義務を怠っていたことを紹介しました。

　今後の対策として、国連情報を日本語化し、日本の市民が世界的情報にインターネットを通じて直接アクセスできるようにする必要性など六項目を提案しました。

　集会に参加した日本共産党の吉川春子参議院議員は超党派の女性議員団として今月十日から十四日まで「従軍慰安婦」問題でインドネシアを訪問。「女性のためのアジア平和国民基金」（国民基金）が本来の目的と関係のない老人ホームの整備に使われていることや元「慰安婦」の人たちへはなんの援助もなく、無駄遣いになっている。「国民基金」では道義的責任は果たせない、と報告しました。「個人補償と謝罪が絶対必要、野党三党が共同提出している『戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律案』を可決するため、現地で見てきたことを国会で反映させたいです」と決意表明しました。