2002年3月8日(金)「しんぶん赤旗」
「ムネオ・ハウス」(国後島の「友好の家」)建設をめぐる鈴木宗男・自民党衆院議員の入札介入疑惑を決定的にして、疑惑追及の大きな流れをつくったもの――。それは、衆院予算委員会で佐々木憲昭・日本共産党議員が示した外務省の内部文書でした。この内部文書がどうして佐々木議員に届いたかをマスコミが注目、朝日新聞「ポリティカにっぽん」(五日付)につづき、七日朝放送されたフジテレビ系「とくダネ!」も取り上げました。この問題の真相は、国会での佐々木議員の追及と「しんぶん赤旗」の報道が重要な契機だった――ということです。
衆議院第一議員会館の佐々木議員の部屋に、「親展」の速達で封書が届けられたのは、二月二十日の朝。鈴木議員を出席させた衆院予算委員会の参考人質疑の当日でした。
秘書が開封すると、中から出てきたのは、(1)内部文書(2)手紙(3)「しんぶん赤旗」二月十六日付1面記事コピー――の三つでした。
この「赤旗」記事は、「ムネオハウス 無競争入札 外務省認める」という見出しで、「ムネオハウス」と「プレハブ仮設診療所」(択捉島)の二件の建設工事が、「公募型」の競争入札という看板とは違って、実態は一事業者しか入札に参加しない「無競争入札」だったことをスクープしたもの。
佐々木議員は、この報道三日前の十三日、衆院予算委員会で、「ムネオハウス」の写真も示しながら、鈴木議員の援助私物化、税金私物化をするどく追及していました。鈴木議員は「公募型」の入札だったことを唯一の根拠に、疑惑を否定。これにたいし「赤旗」は、外務省を粘りづよく取材し、担当者に無競争入札だったことを認めさせ、鈴木議員のウソを追及しました。
内部文書の提供者はこの記事のコピーをわざわざ同封したうえで、手紙に「鈴木宗男内閣官房副長官が無競争入札にするよう働きかけたことを示す文書を送付します」と書いていました。
秘書を通じて文書を受け取った佐々木議員は、「これは本物」とピンときた、といいます。
「事前に、ムネオハウスの入札公告を見ていて、なぜ根室管内の業者にしぼられるのか疑問に思っていたが、この文書を見てナゾがとけました。国対のメンバーとともに集団で検討して、鈴木議員にぶつけることにしました」と語ります。このとき“歴史は動いた”のです。
佐々木議員はこう語ります。
「国会での『ムネオハウス』追及と、それをさらに追撃した『しんぶん赤旗』の報道を見て、提供者の心が動いたのでしょう。ここならきっと信頼できる、きびしく追及してくれるという信頼感があればこそ勇気をふるって情報を提供してくれたと、私は考えています」
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