2002年3月10日(日)「しんぶん赤旗」
疑惑追及を受けている自民党の鈴木宗男衆院議員が、三年間(一九九八〜二〇〇〇年)で、自民党、公明党の国会議員(落選者含む)五十八人に、二億三千八百八十五万円もの政治資金を流していたことが本紙の調べでわかりました。「北方支援」事業に介入し、受注企業から政治献金を受け、“税金の還流”と批判された同議員のマネーが、自民党から公明党にまで及んでいたことが浮き彫りになりました。
これは、鈴木議員が支部長を務める自民党北海道第十三選挙区支部(九九年以前は比例第一支部)と、同氏の資金管理団体「21世紀政策研究会」の政治資金収支報告書から判明したもの。
鈴木議員は派閥の領袖ではないのに、それに匹敵する資金を集めています。二〇〇〇年に同氏が集めた政治資金は、約四億四千四百万円。前秘書の口利きが表面化した加藤紘一元自民幹事長に次ぐ稼ぎぶりです。
ムネオマネーは同議員が所属する橋本派だけでなく、ほとんどの派閥に広がっています。
小泉内閣でも、武部勤・農水大臣への百万円をはじめ、横内正明法務副大臣五百五十万円、松下忠洋内閣府副大臣四百六十万円、同熊代昭彦氏百万円、砂田圭佑財務政務官八百十万円、滝実総務政務官七百五十万円など十一人に及んでいます。
ムネオマネーの恩恵をもっとも受けていたのは、鈴木氏の応援団である「ムネムネ会」のメンバー。吉川貴盛議員の千二百万円を最高に、桜田義孝同会会長と、田中和徳両議員には千百五十万円。同グループの有力者である当選四回の松岡利勝議員にも一千万円。所属派閥の橋本派にも五百万円を出すほどです。
「鈴木議員の影響力は、威圧と、金を配る面倒見のよさから生まれる。ムネムネ会の連中は自民党の外交部会にも大挙やってきて、大声で鈴木議員を支援していた」とある自民党議員は語ります。
公明党の遠藤和良衆院議員(四国ブロック)=前総務副大臣=は、二〇〇〇年に十三区支部と「21世紀政策研究会」から「遠藤和良東京後援会」あてに「組織対策費」などの名目で、それぞれ五十万円計百万円のムネオマネーを受けていました。遠藤議員側は、「出版記念会」の「案内状50枚を渡し…後日、50万円の領収書を出しました」(『週刊朝日』八日付)と弁明しています。同後援会の同年収支報告書に記載はありません。
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