2002年3月13日(水)「しんぶん赤旗」
質問する小池晃議員=12日、参院予算委員会 |
「北方四島」支援事業である「ムネオハウス」(国後島「友好の家」)の入札参加資格をめぐる疑惑で、外務省は十二日の参院予算委員会で、“根室管内のBランク業者が一社のみ”となる入札参加資格検討結果を鈴木宗男衆院議員に「説明に行った」と認めました。日本共産党の小池晃議員の追及に答えたもの。十一日の証人喚問で、日本共産党の佐々木憲昭議員の尋問にたいし、鈴木氏は「個別具体的な企業の話はしていない」と証言しており、偽証の疑いが強まりました。
外務省の調査報告書(四日)によれば、鈴木氏は九九年五月二十七日、「ムネオハウス」の入札参加資格について説明に来た外務省側に「根室管内のBランク以上の業者は何社か」と質問しています。小池氏は、その後外務省が回答したかどうかをただしました。
外務省の斎藤泰雄欧州局長は、鈴木氏の意見を取り入れた入札参加資格案の「検討結果を説明に行ったと理解している」と答弁しました。
この「検討結果」は、支援委員会事務局がまとめた五月二十七日付の文書にも、「根室管内Bランク…1社のみ(渡辺建設工業)」と明記されています。
小池氏は「外務省側が『渡辺建設工業一社しかない』と鈴木氏に説明したということは、鈴木氏の証言は明らかに偽証だ」とのべ、鈴木氏の参院での再喚問を求めました。
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予定価格はそれぞれ「希望丸」1億395 万円、「友好丸」1億8900万円 |
日本共産党の小池晃議員は十二日の参院予算委員会で、「北方四島」支援事業の自航式はしけ発注に関し、自民党の鈴木宗男衆院議員が自分の後援会幹部の業者に受注させるよう入札参加資格をねじ曲げていたのではないかと追及しました。
このはしけについて外務省の調査結果では「鈴木議員の関与は確認されなかった」と結論づけていたものです。北海道開発局(当時)の入札参加資格によると、船舶製造の基準でAランクの業者が受注できる価格は千五百万円以上、Bランクは三百万円以上千五百万円未満となっています(表)。
国後(くなしり)島の自航式はしけ「希望丸」(一九九八年供与)は一億三百九十五万円、色丹(しこたん)島の「友好丸」(二〇〇一年供与)は一億八千九百万円で、どちらもAランクの業者しか受注できない価格です。
ところが、両方とも落札したのはBランクの「根室造船」。同社社長は鈴木氏の後援会幹部で、九六年から九九年までに二百四十万円を献金しています。小池氏は「なぜ本来資格のないBランクの業者が受注できたのか」と質問。外務省の斎藤泰雄欧州局長は「希望丸」の入札参加資格について「AまたはBに格付けされたもの」と答弁しました。
そのいきさつについて斎藤局長は、支援委員会の「競争参加資格結果報告書」に、「地元企業も競争に参加させるべきとの政策判断にもとづき、当初の審査基準を緩和した経緯があります」という記述があること、審査基準を一部緩和した際「根室造船が念頭にあったことをうかがわせる手書きの書き込みのある文書が存在している」ことを明らかにしました。小池議員は「はしけだって真っ黒だ」と追及。再調査を求めました。
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