2002年3月13日(水)「しんぶん赤旗」
「霞が関全体が“ムネオウイルス”に汚染されている」――。日本共産党の小池晃議員は十二日の参院予算委員会で、自民党の鈴木宗男衆院議員をめぐる疑惑について小泉純一郎首相の認識をただし、洗いざらい調査するよう迫りました。
一つは、ヌグウェイ駐日コンゴ臨時代理大使へIDカード(外交官身分証明票)を発給しないよう、鈴木氏が外務省に圧力をかけていた問題です。「重大な国際問題だ」とただす小池氏に対し、小泉首相は「おかしいと思っている」と一言のべただけ。小池氏は「(臨時代理大使の任命には受け入れ国の同意は必要ないという)国際社会のルールを議員の介入でゆがめた。日本政府の対応は誤りだったとコンゴ政府に伝え、謝罪すべきだ」と迫りました。
川口順子外相は「おかしい対応があったことは遺憾。コンゴ政府に経緯を説明して、理解をあおぐべきだ」とのべました。
次に、日ロ領土問題をめぐり、鈴木氏の「島が返還されても国として何の利益にもならない」「領土返還要求を打ち切って、四島との経済交流を進めて行くべき」との発言が外務省の内部文書で明らかになった問題です。
小池氏は「私たちは『四島返還』の立場ではないが、鈴木氏の立場・主張は、日本の国益を損なう、見過ごすことのできない大問題だ」と指摘しました。
小泉首相は「驚くべきとんでもない話」「事実なら重大な発言だ」と繰り返しました。
小池氏は、鈴木氏がこれまで政府・与党を代表してロシア首脳と会談したことを指摘し、「鈴木議員が何を語ってきたのか、総理の責任で徹底的に調査し、明らかにすべきだ」と追及。小泉首相は「鈴木議員の発言に政府は影響されない」とのべるにとどまりました。
さらに、鈴木氏の私設秘書であるムルアカ氏が、旧科学技術庁から二年間(九九年三月から〇一年三月)で一千八十三万円の奨学金を受けていた問題です。
ムルアカ氏は当時、すでに鈴木氏の秘書として有名でした。小池氏は「内閣官房副長官の私設秘書に奨学金が出されていた。こんなことが許されるのか」と指摘。「どんなに優秀な研究者でも、ムルアカ氏が鈴木氏の秘書であることは周知の事実。鈴木氏の私設秘書の給与を国が税金で出していたということにもなる重大な問題だ」と迫りました。小泉首相は、「研究者として受給資格があるならば問題ない」との答弁を繰り返しました。
小池氏は、文部科学省に対して鈴木氏からどのような働きかけがあったのかを調査し、報告すべきだと求めました。
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