2002年3月14日(木)「しんぶん赤旗」
脱税容疑で逮捕された加藤紘一自民党元幹事長前事務所代表の佐藤三郎容疑者(61)が中心になり、加藤氏への献金企業が出資して設立した会社が、入札資格もないのに県内の道路公団発注工事を落札していた――。十三日の衆院決算行政監視委員会で、日本共産党の大森猛議員はこんな事実を明らかにして追及。扇国土交通相は「疑義がある点は調査したい」と約束しました。
この会社は高速道路の維持・管理をおこなうエヌ・エッチ・エス社(山形県鶴岡市)。
同社は脱税容疑で、国税当局から調査を受けている平尾工務店、佐藤工務、酒井組、大井建設、マルゴ、鶴岡建設、羽陽建設の山形県内の七社と日本道路公団関連三社の十社が出資して、二〇〇〇年八月に設立。佐藤容疑者は同社の設立準備段階から深く関与していました。
同社の従業員はわずか四人。設立から八カ月後の二〇〇一年四月、公募型指名入札方式でおこなわれた日本道路公団発注の山形自動車道保全工事を一億五千二百八十万円で落札しました。
同工事の入札公告では「過去十年間に道路において…すべての作業工種の施工実績を有すること」が条件でした。ところが、エヌ社は出資企業の一つ酒井組から営業譲渡を受けたものの、入札時点でも譲渡が完了しておらず、入札資格そのものがありませんでした。
政治資金収支報告書によると、エヌ社に出資した地元企業七社と同役員は、加藤氏の資金管理団体「社会計画研究会」と加藤氏が代表を務める「自民党山形県第4選挙区支部」に、九六年から二〇〇〇年の五年間で総額九千十万円も献金。七社のうち、五社が加藤氏の後援会の役員や会員であり、「佐藤クラブ」という団体まで立ち上げていました。
大森議員はこうした事実を資料などで明らかにし、入札資格もないエヌ社が指名された背景に道路公団にたいする佐藤容疑者の不当な関与があったのではないかと厳しく追及しました。
また、福田官房長官は、加藤事務所前代表の事件について「議員本人に監督責任があった」とのべました。
(株)エヌ・エッチ・エス出資企業からの献金(万円) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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注) ( )内は個人献金。96〜2000年までの合計 |
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