2002年3月15日(金)「しんぶん赤旗」
|
日本共産党の紙智子議員は十四日の参院予算委員会で、自民党の鈴木宗男衆院議員が国際協力事業団(JICA、外務省所管)の国際研修施設を、札幌市と同時に地元選挙区(旧北海道五区)の帯広市に強引に誘致した問題について質問。事業を受注した地元企業から鈴木氏への政治献金が施設完成後に八倍も増えたことを示し、「見返り以外の何物でもない」と批判しました。
ODA(政府開発援助)実施にあたるJICAの研修施設について、立地選定の検討委員会が報告書をまとめたのは一九九二年二月。外務政務次官だった鈴木氏は、その三カ月前の九一年十一月、研修センター新設の外務省調査費について「札幌、帯広両市への設置に向けたもの」と記者会見でのべました。当時、研修施設が設置されていたのは十一カ所だけで、JICAで決めた「地域間バランスをとる」との立地基準を無視するものでした。
紙氏は、帯広の研修施設の開所式で鈴木氏が「計画に反対した外務省の課長の首をすげ替えて帯広に持ってきた」と発言していることを指摘し、北海道に二カ所も設置したのは鈴木氏の関与があったからだと追及。外務省の西田恒夫経済協力局長は「鈴木氏から帯広設置の重要性について発言があった」と認めました。福田康夫官房長官は「特定議員の働きかけがあったと承知しているが、決定は外務省とJICA両者の判断で適切に行われた」と答弁しました。
紙氏は、鈴木氏が帯広、札幌両市の研修施設を受注した業者から六年間で千三百二十万円の政治献金を受け、とくに帯広施設の二社からの献金が、施設が完成した翌年の九六年に前年の八倍にも増えたことを指摘。献金の異常さについて問われた塩川正十郎財務相は「急増したのは何か事情があるのだろう」と答弁しました。
機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。
著作権:日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp