2002年3月15日(金)「しんぶん赤旗」
日本共産党の宮本岳志参院議員が十四日の参院総務委員会で暴露したNTTの内部文書は、「雇用形態選択に伴う課題と対処方針」とのタイトルがついています。NTT東日本企画部業務運営改革プロジェクトチームがまとめています。
NTT東日本は、一月十八日を期限として、五十歳以上の労働者にNTT東日本に残るか、退職して基本賃金三割ダウンで外注子会社に再雇用されるかの「雇用形態選択通知書」の提出を迫りました。この選択をふまえて「対処方針」を示した文書です。
対象になった二万六千三百五十八人中、NTTに残る選択をした労働者が八百二十四人(3%)、退職・再雇用を選択したのが二万五千五百三十四人(97%)であったとしています。
NTT東日本に残る八百二十四人のうち、三百七十八人は外注子会社への移行業務に従事する労働者だとしています。この労働者にたいし「スキル(技能)・スペック(性能)が合わないため、(NTT)本体側の過員となる恐れあり」とし、「全国転勤型の主旨をふまえ調整人員として活用する」と明記。本人同意なしに全国配転を制度化するねらいを明らかにしています。
さらにNTTに残ることを「組織的に選択したと想定される者」を「百十人+α」と認定。「特に、組織的選択者の対策必要」として、「一定期間研修センタ等でスキル転換研修を実施することもあわせて検討」とのべ、特別に見せしめ的な対応をとることを示唆しています。
「組織的選択者」が、労働組合として組織対応をすることを会社側に通告した通信産業労働組合の組合員を指すことは明らかです。NTT東日本に属する通信労組組合員のうち、五十歳以上でNTTに残ることを選択したのは約百六十人。「百十人+α」とも合致します。
宮本議員がこの日、国会で指摘したように、特定の組合に所属する労働者に差別的な対応をするのは、団結権の侵害であり、労働組合への支配・介入で、労働組合法第七条に違反する不当労働行為です。
さらに、この内部文書は、NTTの基準からみた東日本の十七都道県別の過員・欠員の状況を明記しています。首都圏エリア(東京、神奈川、千葉、埼玉)と茨城、栃木の六都県以外の十一道県は、新潟・三百九十三人、北海道・三百三十八人などの過員があるとしています。
こうした県では、今後さらなるリストラ・人減らしが強行される可能性があり、重大です。
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