2002年3月17日(日)「しんぶん赤旗」
|
鈴木宗男衆院議員につづき、加藤紘一元自民党幹事長も前事務所代表脱税事件で十八日に離党を表明しようとしています。しかし、ムネオ疑惑は深まるばかり、加藤疑惑の究明はこれから、小泉純一郎首相や関係省庁の責任も明らかにされていません。国民の声は「疑惑の幕引きは許さない」「議員をやめよ」「真相の徹底究明」です。
日本共産党など野党四党は、週明けの衆院議院運営委員会で鈴木氏への議員辞職勧告決議案の本会議上程を強く求める構えです。同氏にたいする偽証罪での告発の準備もすすめています。同時に、鈴木氏の再喚問、加藤氏の喚問などで徹底的な真相究明を求めています。
鈴木氏の疑惑は、「ムネオハウス」の入札参加資格をめぐる介入や、コンゴ人私設秘書の身分について「民間人」と認識していたことなど偽証が濃厚で、「わが国外交政策への重大な疑念を生じさせ、国益の甚大な喪失をもたらした」(辞職勧告決議案)ものです。疑惑は外務省にとどまらず、国土交通省や防衛施設庁など省庁横断的な様相で、「国民の政治不信を一段と増大させた」(同)ことは明らかです。一連の疑惑が鈴木氏の政治献金とつながっていることも、政官業癒着の重大問題です。
ところが、鈴木氏は十五日の離党記者会見でも、いっさい疑惑の真相を語ろうとせず、逆に「悪いことをしているという認識で政治をやってきたことはない」と開き直りました。鈴木氏の疑惑は国会議員の重責と両立せず、国民に謝罪し、ただちに辞職するのが当然です。
鈴木氏の地元・北海道でも、「さまざまな疑惑を招いた道義的責任を取り議員辞職するのが筋」(北海道新聞十六日付社説)と指摘、「決議案を一日も早く採決」することを求めています。
十六日に時事通信社がまとめた世論調査で、小泉純一郎首相が、次期首相に「望ましい人」のトップの座から転落しました。鈴木・加藤疑惑で内閣支持率が急落している小泉首相と自民、公明、保守の与党三党は、鈴木・加藤両氏の離党で疑惑の幕引きをはかろうと、野党が提出した鈴木氏に対する議員辞職勧告決議案の本会議上程を阻止する構えです。
小泉首相は、「本人の決断だから、尊重すべきだ」(十五日)と鈴木氏の離党をもちあげる一方、議員辞職問題は党に“丸投げ”。疑惑解明の調査を首相の責任で行う姿勢もみせていません。
山崎拓自民党幹事長も、小泉内閣の支持率低下を意識して、「自ら襟を正す自民党でありたい」(十六日)というものの、自民党の腐敗体質にはメスを入れず、肝心の議員辞職勧告決議も拒否する方針。公共事業「口利き疑惑」でも、盟友・加藤紘一元幹事長を守ろうとする姿勢がすけてみえます。
公明、保守両党も、真相解明にフタをする自民党を後押ししています。
(辞職勧告決議案は)山崎幹事長はじめ(自民党)執行部に任せている(15日)
有権者と議員の関係を遮断することは、憲法上も厳しい(15日)
わが党が率先して辞職すべきだというのは行き過ぎではないか(14日)
政治的、道義的に問題があるから直ちに議員辞職にいくというのはどうか(15日)
決議案を本会議には出させない(15日)
機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。
著作権:日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp