2002年3月19日(火)「しんぶん赤旗」
前事務所代表が巨額脱税容疑で逮捕された自民党の加藤紘一元幹事長は十八日午後、党政治倫理審査会で離党を表明し、その後、山崎拓幹事長に離党届を提出しました。自民党では、「北方四島」支援事業への介入が明らかになった鈴木宗男議員が離党したばかり。国民の税金を食い物にした疑惑の構図は同じで、自民党そのものの腐敗体質が問われています。
同日、党本部で記者会見した加藤氏は、「個人の脱税事件であるが、私の事務所代表をつとめていた人間で、監督不行き届きの責任がある」とのべ、秘書の監督責任だけを認め、自身の政治活動には関係ないとの弁解に終始しました。事件については「報道されていることは驚くことばかり。関与はない」と否定、議員辞職についても、「一議員として原点に返り、信頼を回復できるよう活動していきたい」と拒否しました。また、離党の理由として「党にたいする信頼が日一日と傷つくことが多くなり、党の役職経験者として、選挙や県連、支部に迷惑をかけることになる」とのべました。
自民党としては加藤氏の離党で幕引きをしたい考えで、小泉純一郎首相はこの日の参院予算委員会で、「出処進退は自分自身で判断すべきで、自身の判断を尊重したい」と、人ごとのような答弁を繰り返しました。
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