日本共産党

2002年3月21日(木)「しんぶん赤旗」

有事立法骨格、政府が与党に提示

民間人への罰則明記米軍のための新法も


 政府が国会提出を目指し急ピッチで準備を進める有事立法の骨格が二十日、与党三党に示した政府の説明文書で明らかになりました。政府は四月十日までに国会提出するとしています。民間人への「罰則規定の整備」をする方針を明記。国民の権利を制限する有事立法は国会提出の重大な局面となっています。

 政府の説明によると、日本が武力攻撃を受けた事態にたいする「基本方針」は安全保障会議(議長・首相)をへて閣議決定し、その実施のための「総合調整」機関として首相を長とする「対策本部」を設置するとしています。同本部長に、国の行政機関のほか、地方自治体や他の公共機関へ「指示」権限を与えることが検討されています。

 二十日に開かれた与党の「国家の緊急事態に関する法整備等協議会」第三回会合への内閣官房などの説明によると、今国会で提出するのは(1)「武力攻撃事態」への基本方針を定める「包括法」案(2)安保会議設置法改悪案(3)自衛隊の活動を最優先にするための自衛隊法改悪案(4)米軍に適用される国内法を適用除外にするための新法案――の四法案。

 このうち、自衛隊法改悪案では、物資の保管命令に従わない者など戦争協力を拒否する民間人にたいする「罰則規定の整備」を明記。防衛出動命令の前にも自衛隊の武器使用を可能にする「武器使用権限の整備」もあげています。

 「包括法」案は今後整備する個別法案として、国民生活統制にかかわる法制、米軍の行動支援の法制、捕虜の取り扱いなどの法制をあげており、全体的な法整備の期限を「二年以内」とする方向で調整に入りました。

 


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