2002年3月21日(木)「しんぶん赤旗」
鈴木宗男議員、加藤紘一議員にかかわる疑惑が日々深まる中で、国民の怒りが大きく広がっています。「離党で幕引きは許さない、議員を辞職せよ」が圧倒的多数の国民の声です。このような状況で、疑惑の真相解明と政治的道義的責任の解明に対する国会の責任が厳しく問われています。
鈴木議員が十一日、予算委員会で行った証言に関しては、「ムネオハウス」の入札参加資格をめぐる介入、コンゴ人私設秘書の身分について「民間人」と認識していた、と述べたことについて、野党四党は十八日、議院証言法にもとづく偽証罪で最高検察庁に告発し、捜査を担当する東京地検特捜部がこれを受理しました。
疑惑は、外務省にとどまらず、国土交通省、防衛施設庁など省庁横断的な広がりを見せ決議案が述べている通り「国民の政治不信を一段と増大させた」ことは明らかです。一連の疑惑が鈴木議員への政治献金と深く結びついていることは重大です。日本共産党は、昨日、鈴木議員とロシアとの秘密会談記録を国民に示し、鈴木議員が国益を損なう二重外交を進めてきたことを明らかにしました。
鈴木議員は「党に迷惑をかけた」として自民党は離党しましたが、迷惑をかけられたのは国民です。本院が、鈴木宗男議員に対して「その責任を自覚して議員を辞し、国民に陳謝し、自らの政治的・道義的責任を明らかにするよう勧告する」ことは、国会として当然なすべき責務です。
日本国憲法の前文が示すように「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるもの」です。国会と国会議員が、国民の「厳粛な信託」に答えなければならないことは言をまちません。
昨日、自民党臨時役員会は、「国会決議で身分を奪おうとすることは慎重を要する」と確認しました。辞職勧告決議は、あくまで、鈴木議員が「国民の厳粛な信託」にそむいた自らの責任を自覚して、議員を辞すことを本人に勧告するものであり、国会の政治倫理確立のための自浄作用の発露です。
また、自民党は「今後明白かつ重大な違法行為が明らかになった場合は、議員辞職勧告決議案の本会議上程を行うことを可能とする」としています。そうであるなら、藤波孝生議員、中村喜四郎議員の場合はどうだったのか、このことをみれば、自民党の「確認」がその場しのぎの無責任なものであることは明らかです。
この決議案が問うているのは、鈴木議員の政治的・道義的責任であって、刑事責任ではありません。自民党の決議案に対する態度は、鈴木宗男議員に代表される自民党政治の本性に発するものであるといわなければなりません。
先ほど、自民党の委員は決議が無視された場合、院の権威が問われると述べました。本院が、議員辞職勧告決議を可決したにもかかわらずそれを無視する議員がいるとすれば、その議員の政治的・道義的退廃を示すものであって、国民の批判が強まるのは当然のことです。この決議をなさないことこそ、国会の権威をおとしめるものです。
本決議案を速やかに本会議に上程して、議員一人ひとりの意思を問うことが国会の国民に対する責務であることを述べて私の意見表明とします。
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