日本共産党

2002年3月21日(木)「しんぶん赤旗」

鈴木議員辞職勧告決議案で与党

世論に背き幕引きはかる

公明

野党時代は自ら辞職勧告提案

“疑惑段階”は通用しない


 自民、公明、保守の与党三党が二十日の衆院議院運営委員会で、日本共産党など野党四党が提出した鈴木宗男衆院議員に対する議員辞職勧告決議案の本会議上程を求める動議を反対多数で否決したことは、“議員の資格なし”との国民の声に背を向け、疑惑の幕引きに走ったもので、その責任は重大です。

 「まだまだ解明すべき点はある。しかしそのことと議員辞職勧告を混同してはならない」(自民党・大野功統議員)、「離党したとはいえ、鈴木氏、自民党の政治責任は極めて重い」(公明党・東順治議員)

言い訳しきり

 決議案に対する意見表明で与党側は、しきりに言い訳をしました。鈴木氏の疑惑は、外務省にとどまらない省庁横断的な広がりをみせ、同氏が国益を損なう二重外交を進めてきたことも明らかになり、与党といえども疑惑の深刻さは否定できないのです。

 ならば、国政への信頼を失墜させたとして国会が鈴木氏の政治的・道義的責任を問い、議員辞職を促すのが本筋です。

 しかし与党側は、「憲法上、議員の身分は重く定められている」(大野氏)、「鈴木氏は捜査や刑事訴追を受けていない。いまだ疑惑の段階にとどまっており、現時点で辞職勧告をするのは時期尚早」(東氏)と、まったく問題をすりかえ、結局は「出処進退は議員自らが決めるもの」(保守党・西川太一郎議員)という姿勢に終始しました。

政治的責任を

 決議案は、鈴木氏の刑事事件の責任を問うているのでなく、鈴木氏に「その責任を自覚して議員を辞し、自らの政治的・道義的責任を明らかにする」ことを求めているのです。逮捕・起訴、有罪判決を受けていないことをもって否決の理由にするなら、刑事事件にならなければ国会議員は何をやっても許されることになります。

 いっそう深まる鈴木氏の疑惑を前に、決議案上程を否決し、衆院での再喚問を拒否する―その姿は、与党に疑惑解明の自浄能力がないことを示すものです。

 「疑惑の段階では時期尚早」と、疑惑隠しの理論武装を買って出た公明党ですが、同党が九二年に出した竹下元首相への辞職勧告決議案も「疑惑の段階」でした。政権にしがみつきたい一心で理由にもならない理由をもちだして、疑惑の幕引きをはかろうとする公明党の責任は重大です。(高柳幸雄記者)

 


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