日本共産党

2002年3月21日(木)「しんぶん赤旗」

厚労相、検討を約束

シベリア抑留者の未払い賃金

小沢議員が文書示し迫る


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質問する小沢議員=20日、衆院厚生労働委員会

 シベリア抑留者に対する補償問題で、日本共産党の小沢和秋議員は衆院厚生労働委員会で二十日、日本政府がソ連政府に対して労働証明書の発給を要請し、その分の賃金を支払う旨を表明している文書を示し、その実行を求めました。坂口力厚労相は検討を約束しました。これは「この問題はすでに戦後処理問題としても決着済み」との昨年の答弁を変更したものです。

 小沢氏が示したのは、一九四七年に日本政府が、連合軍最高司令官総司令部あてに出した文書。同文書では、ソ連政府が「受領書」(労働証明書)を発給するよう「総司令部の尽力」を要請し、それを持ち帰れば「ソ連政府に代わって受領書に対して支払う」としています。同文書は昨年、小沢氏が請求したときは、見つからないとしていましたが、今回初めて外務省は提出したものです。

 小沢氏は、当時、抑留国が捕虜の帰国時に賃金の残高証明を交付し、所属国で払うことが国際慣習法化しつつあったことを指摘しました。五十年前でも、日本政府がそれを認め、積極的に実行するという意思を表明した以上、今でも賃金支払いの責任を免れないと追及しました。

 外務省の角崎利夫審議官は追いこまれ、答弁に立つことができなくなり、坂口厚労相が「外務省とも含めて、検討させてください」と答弁しました。

一歩前進した

 全国抑留者補償協議会の細川実会長代理の話 今まで外務省は、労働証明書の問題では、請求もしなければ触れてもこなかった。今回の質問で一歩前進した。未払い賃金の支払いを求める今後の運動を前進する足掛かりとして効果的な中身だ。

 


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