日本共産党

2002年3月23日(土)「しんぶん赤旗」

農水省は「重大な失政」

肉骨粉流通 政官癒着で判断誤る

調査検討委


 BSE(狂牛病)への行政対応を検証する農水、厚労相の私的諮問機関・BSE問題調査検討委員会(高橋正郎委員長)は二十二日、肉骨粉使用禁止を行政指導ですませた政府の対応を「重大な失政であった」と批判する報告要旨案を審議。農水省と族議員との癒着の問題点にも言及し、政府の責任を強く指弾しています。

 報告要旨案は、日本へのBSE病原体の侵入、国内でのBSE病原体の増幅を招いたのは、政府が一九九〇年の国際獣疫事務局(OIE)の報告に「形式的に従ったのみで、国際情勢を正しく把握せず積極的対応を怠った」ためと指摘。「とくに農水省が九六年にWHO(世界保健機関)から肉骨粉禁止勧告を受けながら課長通知による行政指導で済ませたことは、重大な失政だった」ときびしく批判しています。二〇〇一年にEUのステータス(危険度)評価を途中で断ったことなども、「政策判断の間違い」と断じました。

 要旨案は、こうした政策決定過程が「きわめて不透明」と指摘。「農水省の政策決定に最も大きな影響を与えているのが自民党を中心とする農水族議員である」「BSE問題のあらゆる局面で農水省が打ち出した政策に対し、農水族議員が陰に陽に影響を及ぼしている」と、「政官癒着」の弊害を指摘しています。

 政府にたいし「食の安全は国民の生命と健康に関る問題だけに、果断に講じなければ行政の不作為を問われかねない」とその責任の重大さを強調しています。

 


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