日本共産党

2002年3月23日(土)「しんぶん赤旗」

ムネオ疑惑追及

ムネオハウス

村井建設も資格なし

参院委で紙議員追及 偽装入札は明らか


 「ムネオハウス」(国後島緊急避難所兼宿泊施設)の入札説明会参加六社のうち、外務省が入札参加資格があったとしてきた村井建設も十分な施工実績がなく、資格がなかったことが二十二日の参院沖縄北方特別委員会で明らかになりました。日本共産党の紙智子議員の追及に同省が答弁したもの。

 この問題では、鈴木宗男衆院議員が外務省に圧力をかけ、同氏の後援企業である渡辺建設工業、犬飼工務店二社のJV(共同企業体)しか入札できないようにした疑惑が明らかになっていますが、同省が入札参加資格のない企業をあるように見せかける偽装工作をおこなっていた疑いがいっそう強まりました。

 外務省は村井建設について、過去十年間、根室管内で「ムネオハウス」と「同種または類似工事」の施工実績があり、入札参加資格があったと強弁していました。

 紙氏は「ムネオハウス」の受注額が四億千七百万円にのぼっていることをふまえ、村井建設について、施工場所、受注額など施工実績を具体的に明らかにするよう迫りました。

 これにたいし、外務省の斎藤泰雄・欧州局長は、同社の施工実績が、元請け単体工事では、受注額約一億二千万円の道営住宅、約一億七千万円の特別借受宿舎の建設にすぎず、JV元請けでも約一億五千万円の高等養護学校、約二億円の警察署庁舎の建設実績があるにすぎないことを明らかにしました。

 「ムネオハウス」と比べ、はるかに規模の小さい工事ばかり。同種、類似工事の施工実績を持っていないことが明らかになりました。

 紙氏は「入札は形式的、偽装的」と指摘しました。


鈴木議員暴行事件

領土問題で政府との違い証明

衆院委で松本議員 法務省“適切に対処する”

 日本共産党の松本善明議員は二十二日の衆院外務委員会で、鈴木宗男衆院議員が「北方四島」ビザなし交流の際、外務省職員に暴行を加えた事件について、事件の経緯からも、「鈴木議員の立場が(『北方四島』を日本の領土と主張する)政府の立場と違うことが証明されている」と指摘しました。

 同事件は、一九九六年、鈴木議員が顧問を務める訪問団が国後(くなしり)島を訪問した際に起こったもの。訪問記念として植樹が企画されましたが、ロシア側が苗木の検疫証明書の提出を要求。外務省職員が同省と連絡を取り、証明書の提出は同島に対するロシアの管轄権を認めることになるとして提出を拒否、苗木を持ちかえりました。このてん末に腹を立てた鈴木議員が、同職員に暴行を加え、全治一週間のけがを負わせました。

 松本氏が「これは単なる暴行事件ではない」と指摘したのに対し、川口順子外相は「鈴木議員がどういう立場で殴ったのか分からない」「当該職員は、ロシア側の『北方領土』における管轄権を前提とした行動は認めるわけにはいかないという立場にあった」と答弁しました。

 松本氏は、外務省職員の判断は正しいものだったと指摘。加害者が謝罪も反省もせず、事件から六年が過ぎても事実無根と言い張っている場合、一般人なら逮捕・起訴されていると述べ、「国会議員だからと特別扱いするべきでない」と主張しました。

 法務省の古田佑紀刑事局長は、暴行事件の公訴時効(七年)は成立していないことを認め、「刑事事件として取り上げるべきであれば、捜査当局として適切に対処する」と答弁しました。

 


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