日本共産党

2002年3月23日(土)「しんぶん赤旗」

医療改悪反対、だれもが安心して暮らせる社会を

難病患者と家族は訴える

日本医師会など300こす団体が支持

28日に大集会


 小泉内閣が医療改悪を推し進めるなか、難病患者への対策も切り下げられようとしています。「患者や家族の願いをアピールしよう」と、日本患者・家族団体協議会(JPC)や全国難病団体連絡協議会(全難連)が参加する実行委員会は二十八日、「国民に負担を押しつける『医療制度改革』反対!」「難病患者、障害者、高齢者が安心して暮らせる社会の実現を」を掲げ、「3・28全国患者・家族大集会」を開きます。

●公費負担は命綱

 治療研究と医療費の公費負担を柱にした日本の難病対策は、一九七二年に始まって以来、世界に例を見ない制度として大きな役割を発揮してきました。医療費以外にも、差額ベッド代や交通費など、患者と家族の負担は計り知れません。加えて、闘病のために働くこともままならない患者にとって、医療費公費負担は、まさに命綱です。

 ところが、小泉内閣の「聖域なき構造改革」の大号令のもと、厚労省は新たに制度の「抜本的見直し」を進め、二〇〇一年度の関係予算は前年度の二十四億円減、〇二年度はさらに十八億円減と年々約10%減額。症状の軽い患者の除外、自己負担の増額などを検討しています。

●問い合わせ相次ぐ

 集会実行委員会事務局の山ア旦夫さん(JPC)は、「国民全体に負担増を押しつける『医療改革』の限られた枠のなかでは、難病の患者と家族にとっても展望は開けません。私たち難病患者をはじめ、だれもが安心して生活できる社会の実現は、大多数の国民の願いです」と話します。

 実行委員会では、集会への支持署名を多くの団体に呼びかけてきました。支持署名をした団体は三百を超え、日本医師会と五つの県の医師会も支持を表明しています。

 これまで実行委員会とつながりのなかった人からの問い合わせも相次いでいます。「希少な病気で患者会がない病気の者ですが」と電話をしてきた男性は、「負担増はとても困る。ぜひ集会に参加したいが、電動車いすでも大丈夫でしょうか」と質問。山アさんは、「会場は車いすでも大丈夫。安心してお越しください」と答えていました。

●すすむ受診抑制

 難病対策は小泉首相が厚生大臣だった九八年、全額公費負担だった制度に一部自己負担が導入されました。その結果、それ以前に比べ17%もの受診抑制が進みました(JPC調べ)。今月十六日には厚生労働省が、日本共産党の小池晃参院議員の質問にたいし、自己負担導入で、患者の受診日数が8%前後減ったことを明らかにしました。

 ただでさえ受診抑制が進んでいるもとでのさらなる削減は、患者と家族にいかなる事態をもたらすでしょうか。

 七四年に二年遅れて始まった小児を対象にした難病対策(全額公費負担)でも、自己負担導入が検討されています。難病の子をもつ親たちからは「この制度は患者と家族の一筋の光。自己負担は厳しい」との声が上がっています。

 大集会は、二十八日(木)午後三時から東京弁護士会館二階クレオホール(地下鉄霞ケ関駅下車、厚生労働省隣)。開会のあと、班に分かれて厚生労働委員や総理大臣、厚相、財務相に要請行動し、集会は六時から。八時閉会予定です。


 難病対策の特定疾患治療研究事業 ベーチェット病、パーキンソン病、クローン病など、原因が不明で治療法が確立していない四十六疾患が対象。

 小児の難病対策の小児慢性特定疾患治療研究事業 ぜんそく、糖尿病など十疾患群、約五百疾病が対象。

 


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