2002年3月26日(火)「しんぶん赤旗」
社民党の土井たか子党首は二十六日未明、党本部で記者会見し、政策秘書給与詐取疑惑が指摘されている辻元清美政審会長について「辞職が必要と言わざるを得ない」とする党見解を発表し、辻元氏に議員辞職を求める方針を明らかにしました。
同党は二十五日深夜まで辻元氏の進退をめぐって協議を続けましたが、結論が出せませんでした。一方、辻元氏は党側の話し合いの呼びかけにも応じず、同日深夜の民放番組に生出演し、自発的議員辞職を拒否する姿勢を示しました。これを受けて同党は常任幹事会を開き、辻元氏の政審会長解任を決定。その後、土井党首が会見を行いました。
辻元氏の疑惑をめぐっては、同党の調査委員会(委員長・中西績介国対委員長)が二十五日午後、調査結果をまとめ、四野党国対委員長会談に報告しました。
それによると、問題の政策秘書は、社民党・護憲連合の照屋寛徳参院議員(当時)の私設秘書として常勤で働きながら、辻元氏に対しては「対面や電話によるアドバイス」などを行っていました。辻元氏は照屋氏に政策秘書の兼務の報告をしていませんでした。
政策秘書の給与が振り込まれていた預金口座は辻元事務所で管理し、月五万円だけを政策秘書本人に払い、残りは他の私設秘書やアルバイトの給与に使ったとしています。その際、資金管理団体や政治団体への寄付報告をせず、政治資金規正法上の処理はされていませんでした。
中西氏は「これらの事実を踏まえると二十日の辻元議員の記者会見には重要な誤りがある」との認識を示しました。
二十日の会見で辻元氏は、政策秘書の給与について「全額本人に渡されていた」「通帳も秘書本人が管理していた」と答え、給与の流用を全面的に否定していました。
野党国対委員長会談後、記者会見した中西氏は、焦点の「名義貸し」疑惑については、辻元氏も元政策秘書も否定したと述べ、「調査の結果では、名義貸しと判断するにはいたっていない」と述べていました。
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日本共産党の穀田恵二国対委員長は二十五日、社民党の辻元清美政審会長の疑惑の調査結果報告を受けた四野党国対委員長会談で、(1)政策秘書として勤務実態がないことは明らか(2)辻元氏の記者会見と今回の「調査報告」は明らかに違っており、ウソをついたことになると指摘し、「辻元氏は議員を辞職すべきだ」と主張。「国民に納得のいく説明が必要であり、証人喚問に応じるべきだ」と提起しました。
国対委員長会談後、穀田氏は筆坂秀世書記局長代行とともに国会内で記者会見しました。このなかで穀田氏は、「実態のない勤務ということは『名義貸し』ということだ。それが(今回の疑惑の)判断の基準だ」とのべました。
筆坂氏は、国会議員の立法・政策活動を補佐する重要な役割を担うために設置されたのが政策秘書制度だが、「“電話でアドバイスをしてもらっていた”から実態があったというのは、世間の常識からみてもとうてい通用しない議論だ」と批判。「『名義貸し』の問題に加え、政治資金規正法については(辻元氏)本人も違法があったと認めているのだから、その責任は重大であり、議員辞職は避けられない」と指摘しました。
社民党の辻元清美政審会長は二十五日夜、TBSテレビ系「ニュース23」に出演し、「(同氏に対する)議員辞職勧告決議案をぜひ出してほしい」「本会議場で記名投票で採決してほしい。そこで採決されれば私は辞める」とのべ、自発的な議員辞職はしない考えを示しました。
また辻元氏は、自身に対する参考人質疑や証人喚問を行い、秘書給与問題を議論すべきだと主張しました。
しかし、「問題提起しながら、決着をつけていきたい」などとする辻元氏に、番組の出演者からは「疑惑の当事者自身がいうことではない」「問題をすり替えている」などと批判する意見が相次ぎました。
テレビ出演後記者団に囲まれた辻元氏は、議員辞職について聞かれ、「迷っている」とのべました。
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