2002年3月27日(水)「しんぶん赤旗」
政策秘書給与詐取疑惑が指摘された社民党の辻元清美前政審会長は二十六日夕、綿貫民輔衆院議長あてに議員辞職願を提出しました。辻元氏はその後、党本部で記者会見し、政策秘書給与の流用を全面的に否定した二十日の会見に「間違いがあった」と謝罪したものの、“名義貸し”疑惑に関する事実関係の説明はありませんでした。会見は十五分で打ち切られ、疑惑の真相を明らかにするにはほど遠いものとなりました。
会見で辻元氏は「記者会見などで二転三転した点は、私らしくなかったということでおわびをしたい」と、「おわび」を繰り返し、「辞職願を出すにあたって七転八倒した。悩んだ」とみずからの心境を語りました。しかし、政策秘書の給与を違法に流用した問題についての反省と謝罪は最後まで聞かれませんでした。
辞職を決断した理由については「自分の犯したミスはきちんと受けとめ、そのうえで責任を果たさないと政治不信にもつながっていく。私自身の生き方にもあわないのではないかという気持ちが強くなってきた」とのべました。また、「いまの政界に何か変化をもたらす辞任でありたい」と語り、疑惑の責任をとっての議員辞職でないとの考えを強調、議員辞職はしても社民党を離党しないとのべました。
辻元氏は、一九九七年四月から九八年十二月まで勤務実態のない女性を政策秘書として登録し、国から支払われる秘書給与のうち、“名義料”として五万円を政策秘書本人に払い、残りは辻元事務所の私設秘書やアルバイトの給与に使っていました。
流用した給与分は資金管理団体や政治団体への寄付として届け出ていないことも判明。辻元氏本人も二十日の会見以降、民放テレビ番組などで政治資金規正法に違反することを認めていました。
辻元氏は議員辞職提出に先立ち、衆院議員会館で土井たか子党首と会談し、進退問題を協議、議員辞職の意向を固めました。辻元氏の辞職願は二十八日の衆院本会議で正式に許可される予定です。
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