2002年3月28日(木)「しんぶん赤旗」
国民に負担を押しつける小泉「医療改革」から、だれもが安心できる医療制度への改革の一つとして日本共産党は、「新薬」による大手製薬会社のぼろもうけにメスをいれるなど薬価を適正な価格に引き下げることを主張しています。各地の三月議会では日本共産党の議員が提案し、公立病院で安価な後発医薬品を使用することで、「新薬」の比率を下げ、住民負担を減らす動きが広がっています。
医薬品には最初に開発・販売される先発品と、成分も効き目も同じながら約半額の後発品があり、これを使用すれば保険財政も患者負担も節減できます。
仙台市議会では古久保和子市議が予算特別委員会で、小泉「医療改革」から「できうる方策をとって市民生活の防波堤となる」自治体の役割を強調。市立病院での後発品使用を提案しました。
党市議団は、市立病院の二〇〇〇年度医薬品購入実績のうち、内用薬について購入額上位百品目について独自調査。後発品切り替えで「一カ月に六百五十万円から七百二十万円も購入額を減らすことができる」とし、全品目二千品目を対象にすると「少なく見積もっても、年間では一億円以上にもなる」ことを明らかにしました。
市立病院の患者は、46%が国民健康保険の被保険者であり、「安い後発品にすると国保財政にも大きく寄与する」と古久保市議は迫りました。
十五の県立病院をもつ新潟県では、五十嵐完二県議が厚生環境委員会で追及。後発品は購入額ベースで全国平均が約4%にたいして県立病院は0・84%ということが明らかになりました。
当局は後発品の使用が「(県立病院)の経営改善にも、患者負担の意味からも、軽減化あるいは改善化につながる」として、医薬品採用に裁量権をもつ医師に後発品の使用を拡大する方向で「適時適切な情報提供をしていく」とのべました。
鹿児島県議会では祝迫かつ子県議が本会議で一般質問。党県議団が、県立大島病院の二〇〇〇年度医薬品購入実績をもとに独自調査した結果、後発品があるのに先発品を使っているものが八十九種類あることが判明。これを後発品に切りかえることで、年間約三千四百万円も医薬品費が節約できる試算を示しました。
当局は、「今回の診療報酬改定では、後発品使用促進策もあり、今後、後発品の情報収集に努めながら県立病院での使用を進めてまいります」と答弁。同時に祝迫県議は、同病院で価格の高い新薬の使用がきわめて多い問題を指摘。「もっと安全で安価な後発品の購入に力をいれること」を提案しました。
この不況のもとでも、大手の製薬会社はぼろもうけしています。政府自身も薬価を適正にすれば一兆四千五百億円の財源ができると認めています。これだけでも今回の改悪はストップできます。日本は、効き目が従来薬とほとんど変わらない「新薬」が異常に高く、使用比率も高いことが問題です。「新薬」による製薬大企業のぼろもうけの構造にメスをいれるべきです。日本共産党は、「新薬」の承認審査と価格決定の過程を透明にして薬価を適正な価格に引き下げることを主張しています。
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