2002年3月30日(土)「しんぶん赤旗」
労働者を直撃する健康保険改悪に反対するたたかいが広がっています。全日本金属情報機器労働組合(JMIU)は、小泉「医療改革」に反対の“旗”を掲げ、経営者にも「いっしょに反対しましょう」と呼びかけ、たたかっています。
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東京都立川市のJMIU超音波工業支部(百四十人)の執行委員長の原和美さん(59)は、「中年の労働者は医療改悪には敏感です。高血圧などで通院する人もいれば、老親の病気の看護や介護をする人もいますから」といいます。
同支部が組合員にとったアンケートで「生活上の不安、不満は何ですか」という問いに、「健康保険三割負担増」と答えた人が13%。「自分の健康状態」10%や「家族の健康・介護」6%とあわせると、健康・医療問題が29%もあります。「経営不安、倒産」は26%。まさに、「雇用といのち」を守ることが労働者の切実な要求です。
医療費の窓口負担が二割から三割に増えるのに加えて、健康保険料も大きな負担増になります。超音波工業の健康保険組合の保険料は月収の8・3%(うち労働者負担4・05%)。労働組合員の月額平均賃金三十二万二千円で計算すると、保険料は月約一万三千円。年額は約十五万六千円です。
改悪法案どおりボーナスからも健康保険料を徴収した場合、単純に去年の実績であるボーナス五カ月分で計算すると、約六万五千円もの負担増となります。保険料アップで賃上げはふっとんでしまうほどの大きさです。
労資ともに負担が大きすぎて健保組合では「現行の料率で徴収するなどありえない。まだボーナスの支給額が分からないので試算できない。八月に調査して料率を検討」といいます。しかし、健保組合の財政は厳しく保険料引き上げは必至です。
同支部は保険料の負担増分を経営者がすべて負担するよう要求しています。「中小企業の経営は困難な状況であることは知ってのこと。保険料の引き上げは企業経営を圧迫する。だから、医療改悪反対は、労資がともにたたかえる課題なのです」と、原さん。
書記長の田倉光義さん(54)はJMIUの東京西部地区協議会議長でもあり、他支部の団交にも参加します。「中小企業の経営者は、目先の営業や資金繰りに頭がいっぱいで、医療改悪など制度の改悪とたたかう視点が弱い。労働組合は、経営や企業の将来について、困難をともに切り開く立場から経営者に、医療改悪に反対しよう、と呼びかけています」
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