2002年4月5日(金)「しんぶん赤旗」
政府は十六日に国会提出をねらう有事法制関連法案で、首相の地方自治体への指示権に法的拘束力を持たせる方向で検討していることを明らかにしました。
四日の参院外交防衛委員会で、日本共産党の小泉親司議員の追及に、内閣官房の村田保史内閣審議官が答えました。
政府が三日に与党に示した有事法制関連三法案の骨子は、「武力攻撃事態」への「対処措置」の実施にあたり、首相に地方自治体や指定公共機関に対する「指示」権を与えることを明記しています。
小泉議員が「自治体の長に拒否する権限はあるのか」とただしたのに対し、村田内閣審議官は「現時点で確たる答えは難しい」としながら、「一つの考え方として、法的拘束力を備えた形での指示権というものは考えられるということで検討している」と答弁しました。
また小泉議員は、「首相の指示権、代執行権は、自衛隊法一〇三条(の発動)も含まれるのか」と追及しました。
同一〇三条は、「有事」の際の土地や物資のとりあげ、物資の保管命令や業務従事命令について防衛庁長官の「要請」にもとづき、都道府県知事がおこなうと定めています。
村田内閣審議官は「明確なお答えは難しい」としつつ、(1)国の「総合調整」機能が「うまく果たされない」場合(2)事態が非常に緊迫し至急の対応が必要な場合に、「(首相が)指示し、代執行することも必要になる場合もある」と答弁。首相が直接指示、代執行をおこなうことがありえると認めました。