日本共産党

2002年4月5日(金)「しんぶん赤旗」

一目で分かる医療改悪(1)

健康保険 患者負担は1.5倍に


 政府・与党が今国会で成立をねらう医療制度改悪法案。これが成立すると私たちの医療はどうなってしまうのか、中身や問題点を項目ごとにみていきましょう。

 改悪案の大きなねらいの一つは、医者にかかったときに支払う患者の窓口負担を大幅に増やすことです。

 診療所や病院で受ける診察、検査などの医療行為は、一つひとつに値段がつけられています。その合計金額が医療費で、保険からの給付対象となります。

 民間企業のサラリーマンや役所につとめる公務員など、労働者の現行の患者負担は医療費の20%です。二割負担といわれ、一九九七年の改悪で導入されました。改悪案は、これを来年四月から三割負担にし、一・五倍に値上げしようというものです。生命と健康にかかわる代金を一度に50%も引き上げる、大幅な負担増です。

 具体的にみてみましょう。

 高血圧で月二回通院している人の場合。療養指導、検査、投薬などの料金を合わせて、一万七千六百四十円の医療費がかかります。このうち、保険から給付されるのは七割。残りの三割が患者負担で、支払い額は月五千二百九十円になります。いまの二割負担だと月三千五百三十円なので、千七百六十円の負担増です。

 高血圧の場合、一カ月の通院ではすみません。年間にすると、二万一千円を超える負担増です。病院に行くのをがまんして病状が悪化すれば、もっと大きな出費が必要になります。慢性の持病があり、長期間の通院が必要な患者にたいする負担増の影響は、はかりしれません。(つづく)

 


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp