日本共産党

2002年4月5日(金)「しんぶん赤旗」

有事立法 わたしは反対

若者に命の重さを伝えたい

看護師・日本医労連 青年協議会議長

三村真理子さん


 

「私たち医療労働者は、有事法制に絶対に反対します」。三月二十二日、東京で開かれた「有事法制は許さない! 中央集会」で、三村真理子さん(30)の“白衣の訴え”は参加者に大きな元気を与えました。いま、三村さんは若者たちに「いっしょに考えよう」と呼びかけています。

 最近、大学生の学習会や、ピースウオークを手掛けている「チャンス!」の若者たちが主催する集まりにゲストとして出演して、「有事法制ってこんなに危険なんだよ」と話をしています。

 たとえば、医療は戦争に欠かせませんよね。もし、私たちが医療班として海外へ動員された場合、救護して元気になった兵士がまた戦場に戻ってたくさんの人を殺す。自分自身が戦争に協力させられ、人を殺す手伝いをさせられるわけです。

 そんなの絶対いやですが、医療班としての出動を断れば処罰される恐れがあります。

医療事故も心配

 国内の病院だってたいへんです。ただでさえ忙しい勤務が動員で減った分さらに忙しくなり、医療事故が心配です。朝鮮半島で米軍が戦争を始めたら、負傷兵を日本へ運ぶという計画を一九九七年にたてています。そうなったら、病院から患者さんを追い出すことにつながりかねません。

 私は、患者さんが元気になって退院されると本当にうれしい。でも、亡くなる場面にもぶつかります。自分と同世代だったり、子どもさんだったり、小さな子を持つお父さんお母さんだったり…。生きたくても生きられない現実がある一方、戦争は生きられる命を殺していく。切ないですよ。

 だから、これから「命」について、みんなにもっと話をしたい。

 たとえば、あるお坊さんから聞いた話――。自分をつくるのに、お母さんお父さん二人が必要で、お父さんお母さんをつくるのにはおじいさんおばあさん四人必要です。人類が生まれてから逆算すると、膨大な命があっていまの自分たちがいる。命って本当に重いものなんだと感じました。

仲間と考えたい

 命の尊さはだれでも同じはず。アメリカ人であれアフガニスタン人であれ、みな同じ。だから、目には目をという報復戦争は、悲しむ人を増やすだけだと思うんです。

 看護師も若者も、有事法制に全然関心がないわけじゃないけれど、自分が何をしていいかわからない。だからストップさせるには、とにかく関心を持ってもらうことが大事ではないでしょうか。

 ぜひ、いっしょに考えるような仲間を持ってほしいですね。みんなで話せば「有事法制ってよくないね」と危機感をもってくれますよ。私たちも、パンフレットやワッペンをつくったり、平和を考える学習会をやろうと考えています。私自身、もっとうまくしゃべれるよう勉強しなくちゃ。


 みむら・まりこ 一九七二年東京生まれ、島根育ち。松江赤十字看護専門学校卒業後、松江赤十字病院で看護師を務める。九九年から全日本赤十字労働組合連合会に勤務。現在、日本医労連青年協議会議長。

 


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