日本共産党

2002年4月9日(火)「しんぶん赤旗」

木島議員 加藤氏への一問一答

春名議員 鹿野氏への一問一答


 八日の衆院予算委員会で、日本共産党の木島日出夫議員が加藤紘一議員に、春名直章議員が鹿野道彦議員に行った参考人質疑の詳報を紹介します。

木島議員 加藤氏への一問一答

「知らなかった」は通らない

 木島氏は、佐藤三郎前事務所代表の金集めのやり方を「知らなかった」と繰り返す加藤議員に、一つの文書を示しました。佐藤被告が事務所の「新体制案」を作成し、加藤氏に許可を求めたものです。

 木島 ここに「報告及許可願」と題する一九九三年四月二十日付の文書の写しがある。佐藤三郎氏を事務所代表にすえたときの文書だろうと思われる。

 「当該、加藤事務所新体制案が四月十六日評議員会に於いて承認されました。ついては実行するに際し検討のうえ、許可願いたくお伺い申し上げます」

 許可欄にあなたのものと思われる花押のようなものが書き込まれている。ご存じですか。

 加藤氏は書類を受け取ってしばらく眺め首をかしげながら、「私のサインに非常に似ているが、ちょっと違うかもしれない」と答えました。

 木島 文書の二枚目にこうある。「一九九三年五月十日付、加藤事務所新体制案を承認する。一九九三年四月十六日 評議員会会長 加藤次郎」。署名でカタカナで「ジロウ」とある。

 三枚目に「部外秘」とあり、「加藤事務所の新体制」として加藤代議士の下に評議員を置き、「会長・加藤次郎、加藤愛子、佐藤三郎」、この三名で評議員会を構成することが記載されている。この三人で新加藤事務所体制のなかで評議員会が組織されたことは間違いないか。(加藤次郎氏は加藤議員の兄、愛子氏は妻)

 加藤 最初、佐藤代表が入ってくるとき、弁護士の兄、家内、何人かで評議する形で進もうといったことはあった。

 木島 文書の最後のページに「七 評議員会と実行」という文書がある。

 「加藤事務所の全てのことに関して評議し承認、不承認の決を下す。実行するに際しては代議士の許可を得てタイムリーに佐藤三郎が実行する」

 これは加藤事務所の金の集め方、使い方など、評議員会の承認を得た上であなたの許可がなければできないしくみになっていることを意味する。

 木島氏は「『知らなかった』というのは、これに照らしても通らない。佐藤の行動はすべてあなたの許可のもと、知っているところで行われたのではないか」と追及。加藤氏は「評議会というのは最初確かに二、三年はそれでやっていたと思うが、お互いに忙しくほとんど有名無実になった」と答えました。

 木島氏は、佐藤容疑者の評判について野中広務元自民党幹事長から「忠告」があったことを指摘しました。

 木島 野中広務代議士は三月十六日、ある講演で「トップを担える人だ。けれども率直にいうと、あなたについておる佐藤三郎君も今のうちに切っておかなくては、あなたも天下人になれない。私は彼に数回忠告した。時には現実に事実関係を私が示したこともあった」といっている。野中議員から佐藤について、どんな事実関係を具体的に指摘されたのか。

 加藤 うーん…。よく分かりませんね。北朝鮮の疑惑についてこんな文書が出回っているよみたいなことが、一回いわれたことがあるように思う。それ以外あったかもしれないし、覚えていない。

 木島氏は「疑惑はますます深まるばかりだ」と締めくくりました。

春名議員 鹿野氏への一問一答

関係の否定に終始

 春名氏は、鹿野道彦議員と公共事業をめぐり贈賄罪などで起訴された元秘書・尾崎光郎被告との関係をただしました。

 春名氏は鹿野氏が、尾崎被告が秘書を辞め、「業際都市開発研究所」(業際研)を設立した九四年から関係がなくなったと発言している問題に言及。九四年当時も鹿野氏の三つの政治団体のうち二つの事務所が業際研と同じ場所にあり、三つの政治団体の電話番号も同じで、いずれも代表、事務担当者、会計責任者は尾崎被告などが務めていることを示しました。

 春名 (三つの政治団体が解散する九五年九月までの間は)少なくとも(業際研と)一体になって活動していたのではないか。

 鹿野 (三つの政治団体は)実質的にほとんど機能を発揮していなかった。三つの団体は私の政治団体であったが元秘書が代表になっていた。尾崎元秘書が辞めた時点で整理がなされていればよかったのだが、残務整理として残っていた。

 春名氏は、二〇〇〇年六月十三日の衆院選挙公示後、尾崎被告が鹿野氏の応援演説のために山形市内に来ていた問題を指摘しました。

 春名 業際研発足時だけでなく、その後も尾崎被告とのつながりが続いているのではないか。

 鹿野 山形にきていたことは分からない。私の選挙運動で来ていたということは新聞報道で知った。尾崎元秘書と会ったり、私の事務所に訪ねてくることはなかった。

 春名氏は、昨年六月二十九日の鹿野氏の政治資金パーティーで業際研の事務員が手伝いをしていたことを指摘し、業際研と鹿野氏の関係を追及。

 春名 このパーティー券の売りさばきの際に、その一部を業際研に依頼しているのではないか。

 鹿野 事務員の人が手伝っているかは分からない。(パーティー券の売りさばきの依頼は)そのようなことはない。

 義弟が社長をつとめる三重県桑名市の土木工事会社に鹿野氏の厚生年金や健康保険の保険料を肩がわりさせていた問題で、春名氏は、鹿野氏自身が「問題があれば、修正手続きをとる」としていたことを指摘。次のようにただしました。

 春名 私どもの調査では、いまだに(年金や保険の加入を)脱退していないと思う。確かめたか。

 鹿野 私自身、非常勤役員待遇として経営に関与している。しかし、社会保険庁に問い合わせたところ、地元の社会保険事務所に問い合わせてくれということだった。問い合わせたところ、義弟の会社を調査しているとのことなので、その(社会保険事務所の)結論をまっているところ。

 


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