2002年4月10日(水)「しんぶん赤旗」
イラスト・高村忠範 |
「百万円(の医療費)、これを三割負担だから三十万円負担しろと言っているんじゃない。上限がありますから」「月一千万(円)かかっても上限が六万円程度ですむ」(昨年十一月、参院予算委員会)――小泉純一郎首相は、よくこう声を張り上げます。
小泉首相がいう「上限」とは高額療養費制度のこと。重い病気や手術などで医療費が高くなったとき、患者負担に限度額を設けて、それを超える分は払い戻しを受ける(償還払い)制度です。
改悪案は、この自己負担限度額を今年十月から引き上げます。(図参照)
たとえば、心筋こうそくで二十五日間入院して、医療費が二百二十三万四千百六十円かかった場合――。
自己負担限度額(一般の場合)は、改悪案で七万二千三百円に引き上げられます。これに二十四万一千円を超える医療費の1%が上乗せされ、九万二千二百三十円になります。いまは八万二千七百六十円ですが、九千四百七十円の値上げとなります。
小泉首相の言う“医療費が一千万円かかっても六万円程度の負担ですむ”というのは間違い。「1%」分の九万七千五百九十円が上乗せされ、十六万九千八百九十円もの負担となります。
重い病気になり医療費がかかる患者ほど、限度額も天井知らずに高くなるしくみです。(つづく)