2002年4月11日(木)「しんぶん赤旗」
「武力攻撃事態」は「周辺事態」と重なるだけではありません。政府の勝手な判断でどこまでも広がる危険があります。
政府は、「武力攻撃事態」のなかに「武力攻撃のおそれのある場合」と、「武力攻撃が予測されるに至った事態」を含めています。
この二つの規定の違いは自衛隊法にあります。政府の説明によると、「おそれのある場合」とは、自衛隊の防衛出動の規定(同七六条)、「予測されるに至った事態」とは、防衛出動に備える防衛待機命令(同七七条)にあたるとされます。
そうなると有事立法は、日本に対する武力攻撃が実際に起きる前、自衛隊が出動の準備をする段階から発動されるということになります。
政府は「おそれ」や「予測」といったあいまいな基準について、まともな説明もできません。「武力攻撃事態」を認定するのも政府(閣議で決定する対処基本方針に書きこまれる)ですから、“自作自演の”危険さえあります。