日本共産党

2002年4月14日(日)「しんぶん赤旗」

有事3法案

「自由と権利」全面的に制限

具体化法も2年以内に


 政府・与党は、十六日に閣議決定しようとしている「武力攻撃事態法案」(包括法)など有事三法案に、「国民の自由と権利」の制限を明記。その具体化の一つとして“国民統制法案”ともいうべき個別法を「二年以内に整備」することで合意し、武力攻撃事態法案に書きこむことになりました。

 武力攻撃事態法案では、基本理念のなかで、「日本国憲法の保障する国民の自由と権利…に制限が加えられる場合」があることを明記。業務従事命令や物資保管命令などの強制措置のほか、戦時における国民の統制に対応する包括的な規定を置いています。

 国民統制の整備項目には「警報の発令、避難の指示」「保健衛生の確保及び社会秩序の維持に関する措置」「輸送及び通信に関する措置」「国民の生活の安定に関する措置」などが並んでいます。「社会秩序の維持」の名目による国民の行動の規制や、通信の秘密の制限、生産調整や配給などにつながりかねません。

 自衛隊元幹部などは自民党国防部会での講演で、避難の際の「立入禁止、退去命令」や「需給統制」を例示したり、「表現の自由・集会の権利・通信秘密…ストライキ権の一部を制限」する他国の例を紹介しています。


国民の自由と権利はどうなる?

人権全般 「国民の自由と権利が制限される場合がある」と明記(包括法)

思想・良心の自由(戦争協力の拒否) 戦争協力が国民の「努力」義務に(包括法)物資保管命令違反は懲役刑・罰金
医療、土木・建築、輸送関係者などに業務従事命令(自衛隊法)

財産権 土地、家屋、物資の収用(自衛隊法103条)

言論・出版・集会など表現の自由 「社会秩序の維持」を口実に治安対策可能。戦争反対行動を規制・取り締まり?(包括法、個別法)
「防衛秘密」漏えい・教唆も罪に(自衛隊法)

移転・移動の自由 「住民の避難」を口実に住民を統制、移動・移転を制限(包括法、個別法)
自衛隊の「展開予定地域」設定。立ち入り制限、禁止、退去命令も?

通信の秘密 「通信に関する措置」で通信統制。「郵便通信の秘密制限法」が念頭?(包括法、個別法)

 


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