日本共産党

2002年4月14日(日)「しんぶん赤旗」

大企業の横暴を規制する下請け二法とは?


 〈問い〉 不況やリストラ、海外進出を理由に、大企業の単価切り下げや発注停止などがあいついでいますが、これを規制する下請け二法とはどんな法律なのですか。(愛知・一読者)

 〈答え〉 下請け二法とは、下請代金支払遅延等防止法と下請中小企業振興法のことで、大企業の下請けへの横暴な経済行動から中小企業を守り、育成するためにつくられた法律です。特に近年は、大企業がリストラと海外進出を進めるなか、突然で一方的な取引停止や発注減、限度をこえる単価切り下げなどが横行しています。大企業に下請け二法などのルールを守らせ、行政には指導責任を果たさせる運動が必要になっています。

 下請代金支払遅延等防止法は、代金支払いなど、親事業者(元請け)と下請けの取引を公正にして下請け企業の利益を保護するのが目的です。

 親事業者は▽下請けから受領後六十日以内の代金支払い▽下請けに契約書面を交付▽買いたたき、返品、受領拒否をしない―などが義務付けられます。

 下請中小企業振興法は、下請け関係の近代化など、下請け中小企業が独立性ある企業として発展できるよう政府が基準をつくり指導・助言すると定めています。経済産業大臣が定める「振興基準」では、▽労働時間短縮が可能な納期決定▽下請け企業の適正な利益などを含む、適正な単価決定▽取引の停止や大幅減少には、相当の猶予期間をもつ予告▽海外進出などには、必要な情報の逐次提供や下請けの対応への積極支援―などを親事業者に求めています。

 この基準は、親事業者と下請け企業がよるべき一般的基準です。幅広い企業に適用されますが、罰則はありません。しかしいまの下請けいじめの多くは基準で明らかにされているルール違反になります。日本共産党はその実態を国会などで一貫して告発し追及してきました。昨年十一月、政府は親事業者九千百社などに、下請け二法の順守を求める一連の通達を出しています。(清)

 〔2002・4・14(日)〕

 


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp