日本共産党

2002年4月16日(火)「しんぶん赤旗」

一目で分かる医療改悪(9)

自己負担額立て替え

申請もれに不安


グラフ

 老人医療費の負担軽減の仕組みは、すべて立て替え払い制となります。高額医療費制度とよばれ、一割負担のうち自己負担限度額を超える金額はあとになって市町村から戻ってきます。病院窓口で自己負担全額を患者がいったん立て替えます。

 限度額は所得によって「一定以上」「一般」「低所得者」(二種類)の四ランクにわかれ、「一般」は月四万二百円(入院、入院外来の合算)です。

 限度額は世帯単位で適用されます。まず外来の一カ月の負担額を夫婦別々に合算。それを限度額にあてはめて、夫婦それぞれの外来負担額を出してから入院の患者負担分を加え、それを世帯合計額とします。この額が限度額を超えると払い戻しがあり、限度額以下なら、合算額をそのまま負担することになります。複雑で、すぐに理解できません。

 しかも立て替えたあと、市町村の窓口まで足を運び、払い戻しの申請手続きが必要です。実際に戻ってくるのは、申請から二、三カ月も待たなければなりません。厚生労働省も「申請もれや手続き上の負担により支給を受けられないことのないよう、きめ細かな対応をお願いしたい」と、市町村での広報の徹底を検討中です。

 外来の限度額は「特別の配慮を行う」として別建てで設定しています。「特別」といっても「低所得者」は八千円で、改悪前の外来上限制(月三千二百円)に比べると二倍を超える引き上げとなります。(つづく)

 


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