2002年4月21日(日)「しんぶん赤旗」
「規制改革推進3か年計画(改定)」(三月閣議決定)が診療報酬見直しの第一にあげたのが「包括・定額払い制度の拡大」です。
診療報酬は、診察、検査など医療行為ごとの価格を積み上げていく「出来高方式」を、基本的な算定方式としています。これにたいし、あらかじめ決められた額しか払わないのが「包括・定額払い」です。
診療報酬の四月改定は、大学病院の入院料を病院ごと別々の金額にする仕組みを一年後をめどに導入する方針を打ち出しました。
病気の診断方法によってグループをつくり、各グループごとに標準的な手術、検査、薬剤、医療機器などの費用を計算し、定額払いの報酬にする仕組み。標準より手厚くしようにも報酬上の保障がなくなります。
定額にしたうえ病院別の料金になるので、たとえば胃がんの入院料が、こっちではいくら、あっちの大学病院ではいくらということになります。患者に選ばせることで病院を競争させ、医療の質もあがるという想定。コストを削るほど利益がでるので、医療費を抑制するというねらいです。
包括・定額払いは「粗診粗療」の危険があります。規制改革推進3か年計画も「粗診粗療」の「弊害」をいいつつ、「コスト削減」に期待をかけています。病気別の「包括・定額払い方式」実施に向け、いくつかの病院で試行中です。データが収集されています。試行前に比べ死亡率が増えたという分析(図参照)がでています。(つづく)
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