2002年4月22日(月)「しんぶん赤旗」
小泉首相が二十一日、靖国神社参拝をおこなったことに、抗議と怒りの声があがっています。
日本キリスト改革派犬山教会牧師の井上二郎さん(61) ニュースを聞いてあぜんとしました。首相は「いい時期」と発言していますが、八月十五日前後と違ってマスコミなどに情報が何もない中で、間げきをぬった巧妙なやり方です。
今月、首相は中国に向かう専用機の中で靖国参拝について「大した事ではない」とコメントしました。鉄面皮というか強引にやりとげようという姿勢です。
これから有事三法の審議に入るわけですが、新しい体制づくりの狙いと今回の参拝はつながっていると感じざるをえません。国のために命をささげさせる、という思想に危ぐを覚えます。靖国神社は「国のために尽くすならまつってあげよう」というところですから。日本の歴史や憲法についての感覚のなさに恐ろしさを感じます。
平和を願い戦争に反対する戦没者遺族の会代表世話人の島田祐廣さん(60) 靖国神社は侵略戦争を象徴するものです。八月十五日ではないからといって、いついかなるときであっても参拝していいものではない。決して許せるものではありません。有事法制が上程され、参拝を強く支持している日本遺族会を意識した政治的意図を感じます。有事法制には、戦死者が出ることを想定して埋葬や火葬のことが入っています。戦争には戦死者がつきものです。有事法制が成立すれば、戦死者を靖国神社に祭ることを考えているのでしょう。「二度と戦争はしたくない」という遺族の願いを、戦争をするための政治的意図に利用するというやり方は絶対に許せません。