日本共産党

2002年4月23日(火)「しんぶん赤旗」

憲法調査会地方公聴会

“軍隊は国民守らない”

沖縄で戦争国家法案に批判


 二十二日、沖縄県名護市で行われた衆院憲法調査会の地方公聴会で、小泉内閣が今国会の最重要課題と位置付ける有事三法案(戦争国家法案)に批判が相次ぎました。政府・与党が有事三法案の二十六日からの審議入りを狙うなか、在日米軍基地の75%をかかえる沖縄での批判は、国民の間での反対の広がりを象徴するものです。地方公聴会では、六人の陳述人のうち三人までが反対の立場を明らかにしました。

 平和憲法・地方自治問題研究所の山内徳信氏は「県民は法案の国会提出に大きな衝撃をうけ、将来への不安と怒りが渦をまき、やがて大きなたたかいへと胎動する」と述べ、有事法制の推進にあたり小泉首相が唱えている「備えあれば憂いなし」との言い分を「奇弁」と批判。「憲法九条をはじめ、憲法体制そのものをことごとく無視し、戦争体制の具体的準備だ」とのべました。

 また、かつての沖縄戦の体験をふまえ、「沖縄戦がひたひたと迫ってきたこの四月に、有事法制が出てきた。私の事務所に、また戦争体制に入るんだねと電話がかかってきた」と語りました。

 新垣勉弁護士は、政府提出法案について「一切の権限を政府に授権するものであり、国民によるコントロールの構造が一切ない仕組みだ」と指摘。「旧日本軍は、戦争になったとき沖縄県民を守ったか。戦争が来たとき、軍隊が軍隊の論理で行動し、決して国民を守るものではないことを(沖縄は)みてきた」とのべ、「沖縄にとって、長い復帰運動のもとで勝ち取ってきたのが平和憲法だ。この努力にこたえているのか」と政府・与党を批判しました。

 また、大学生の稲福絵梨香氏は、「日本人は戦争でたいへんな苦しみを体験してきた。有事法制は、このあやまちにつながっていくのではないか。権利の制限や平和を脅かしてしまうのではないか」とのべました。

 公聴会は、中山太郎会長が「激しい地方公聴会だった」とのべたほど、政府・与党に対して厳しい批判が相次ぎました。会場からの意見表明でも、傍聴人から「首相の意思で、また沖縄の土地を奪う法案までつくっている」「憲法を国民の中に生かす努力をどれだけやってきたのか」の声があがり、緊迫感につつまれました。

 


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