2002年4月23日(火)「しんぶん赤旗」
|
小泉純一郎首相は「三方一両損」「みんなで痛みを分かち合うんだ」と言います。しかし、改悪によって「三方」から痛みを押しつけられるのは国民です。国の負担は、図のように大幅に減らされてきました。
改悪案で保険料が引き上げられる政府管掌健康保険(政管健保)の場合、国庫負担は九二年に給付費の13%に減らされたままです。当時、厚生省は国会で「万一、財政状況が悪化した場合の措置については、必要に応じて国庫補助の復元について検討させていただく」(九二年三月)と答弁していました。
老人医療の場合、有料化された八三年度の割合に国庫負担を戻すと、一兆四千億円の財源ができます。日本共産党は当面、国の負担を一兆円増やして、国と地方の公費負担の割合を50%にすることを提案しています。
国保や政管健保の場合、いまの国庫負担率を改悪前に戻すと五千億円程度増やすことができます。これらを合わせると一兆五千億円。医療保険財政が厳しいというなら、まずは税金の使い方を改め、医療への国庫負担を元に戻すべきです。財源は、むだな公共事業費を削れば十分あります。
国民だれもが安心できる医療制度を望んでいます。国が財政に責任を持つのは当然です。医療費の増大を問題にするなら、高い薬価の引き下げや早期発見・早期治療の態勢の確立が不可欠です。(おわり)秋野幸子記者 斉藤亜津紫記者