2002年4月28日(日)「しんぶん赤旗」
内外の政治、歴史、憲法の学者らによる同時代史学会の創立準備会が二十七日、東京・立教大学で開かれました。
準備会に先だってシンポジウム「サンフランシスコ講和50周年を考える」が開かれ、百五十人の参加者を前に豊下楢彦関西学院大教授が「安保条約の原点と現点」、浅井良夫成城大学教授が「『日米経済協力』構想と経済自立」と題して報告しました。
豊下氏は、日本はいまアジア外交の構想力が問われているとして、「アメリカを中心とした二国間同盟条約網の枠内での日米韓軍事協力の強化」ではなく、「日中韓提携強化」こそ望ましいと強調。それは日韓関係が「結節軸」だが、歴史認識をただし、不戦関係の構築などが新しい平和・秩序安定には必要だとのべました。
憲法九条、サンフランシスコ講和条約、日米安保条約、吉田茂首相の対米交渉など戦後日本の枠組みを形成した諸問題をどう見直すかをめぐり討論しました。
準備会では発起人の一人、進藤栄一筑波大学教授が名称を同時代史学会としたことについて、「“日本一国主義”に陥らず戦後の歩みを客観化したい」と説明し、市民に開かれた学会をめざすとのべました。