日本共産党

2002年4月29日(月)「しんぶん赤旗」

戦争国家法案

黙っていられない

全国で集会、パレード、ビラ配布


 戦争をする国家づくりの道、有事法制に黙っていられないと二十八日、全国各地で民主団体や労働組合、市民、高校生、日本共産党などが「戦争国家法案」に反対する宣伝、署名、パレードを多彩にくり広げました。


 名古屋市西区では、有事法制に反対する西区民の会と、I・LOVE・PEACE・NO・WAR西区女性の会が緊急に呼びかけ、有事法制に反対してパレード。四十人が地下鉄駅前を出発し、「私たちは戦争国家づくりはごめんです」と市民にアピール。手を振る市民の姿が目立ちました。

 出発前の集会で「女性の会」の石原たま江さん(43)は「いてもたってもいられないとはじめました。法案は、首相が有事と判断すれば戦争に協力させられ、いやだといえば犯罪者。本当に許せません」と訴えました。

 自衛隊派兵反対・有事立法阻止島根県共同センターは、JR松江駅前で宣伝。「この法律は絶対止めて。大変なことになる」(米子市の家族連れ)と九十三人分の署名が寄せられました。

 署名した野津好璋さん(60)=松江市浜乃木=は「満州では家の中を荒らされ、抵抗すれば殺された。小泉首相は怖い。戦争は、二度と子や孫には経験させられん」と話していました。

 大阪では、安保破棄大阪実行委員会が二十七、二十八の両日、二台の宣伝カーでのべ十八時間にわたる宣伝を実施。配布した約一千枚のビラに熱心に目を通す人が目立ちました。

 明るい革新日本をめざす中央青年学生連絡会議と埼玉青学連は、JR浦和駅前で宣伝。高校生が「小泉首相、むかつく」といい、シール投票で、アメリカの戦争に有事法制で協力することに「反対」が六十六人、「賛成」は一人でした。

 有事三法案が審議入りした二十六日から全国で反対行動が広がっています。高知県北部の五町村では、労組、団体、日本共産党が参加して「アメリカの戦争に国民を総動員する有事法制反対嶺北連絡会」を発足(二十六日)させました。

 日本平和委員会は二十七、二十八の両日、東京都内で理事会を開催し、有事法制を阻止するために平和委員会が総力をあげてたたかい、広範な国民的共同をめざすことを確認しました。


有事法制 大大大はんたい

大分・アンチユーホー 高校生ら宣伝

 「平和なときにどうして戦争のことばが出てくるの? 有事法制がどんなに怖い法律か知ってほしい」――。大分の高校生でつくる「アンチユーホー(有事法制)高校生の会」は二十八日、大分市のトキハデパート前でシール投票や署名で有事法制に「大大大大大反対」の思いを若者や市民に訴えました。

 日曜日の午後、高校生もたくさん往来している街角。デパート前の小さなスペースは、シール投票や署名を持ったメンバーたちのまわりに高校生や若者が群がり、あちこちで即席の青空討論に。

 「有事法制って知ってる? 政府が戦争を決めたらみんな協力せんとだめになるんよ。怖い法律なんで。だから反対してるの」。「すごい!」

 初めて街頭でハンドマイクを握ったコーヘー君(16)は一生懸命訴えます。「無知だったけど、これだけはいえる。戦争はきらいです。小泉首相は痛みに耐えて改革というけど、戦争のための痛みはイヤです」

 「どういうこと?」と話しかけてきた高校生の男の子に、伊沢睦さん(17)は「小泉首相の権限で、命令一つで戦争に動くようになって、私たちの自由とか権利より戦争の方が最優先にされるんよ」と語ります。「それは絶対許せんわ」と高校生は署名しました。

 高校生や大学生など十五人で一時間半のうちに有事法制反対の署名が百五人分集まりました。

 シール投票では、戦争は「有益」と答えた人はゼロ。みんな「無益」「損」と回答。自分のやりたいことを制限されるのは「許せない」は五十人、逆に「許せる」は五人でした。

京都 キリスト者が祈り

 イスラエル軍のパレスチナ自治区への侵攻や有事法制を憂える京都のキリスト者が二十八日、京都市北区の日本聖公会京都復活教会で、集会(礼拝)を開き、信徒や市民ら約四十人が参加しました。

 「平和のために祈りましょう。戦争と苦難のうちにある人びとのことを心にとめましょう。ことにアフガニスタンの人びと、パレスチナの人びとを心にとめましょう。また、日本の国が戦争への道をたどっていることをおぼえ、私たちが平和への願いを強くしていくことができるように祈りましょう」。集会を呼びかけた六人の司祭の一人で、京都復活教会の井田泉牧師の祈りが、礼拝堂に響きます。

 集会では、イスラエル軍によるパレスチナ侵攻を告発したメールや、有事法制に反対するメッセージ、有事法制の内容、憲法九条などを朗読。聖歌を歌い聖書の言葉を唱和し、平和への思いを新たにしていました。

 有事法制反対のメッセージを朗読した女性(27)は「初めて内容を知りました。戦争への道は嫌です」と話しました。

埼玉 戦争に加担しません

 有事法制問題などを学び、青年の夢や願いが実現する社会をつくろうと、二十八日、さいたま市の埼玉会館で「ふれんどりーむフェスタin埼玉」が開かれ、八十五人が交流しました。

 農業、業者、労働組合青年部、大学生などさまざまな分野で活動する青年たちが発言。この日、初めて駅頭で有事法制問題のシール投票などにとりくんだ高校生たちは「声をかける前に寄ってきてくれた。またやりたい」「なにも知らずに宣伝に参加したけど、同じ高校生たちがたくさんシールを張ってくれて、真剣に話を聞いてくれた」と語りました。

 松元ヒロさん(元「ニュースペーパー」)が「笑いでみるいまの政治と日本国憲法」と題して一人芝居。自身を憲法に見立てて「私のことを忘れていませんか」と語りかけ、憲法前文を「あなたたちに託します」と投げかけると、それまでコントに沸いた会場が静まり返り、参加者たちは真剣な表情で見入りました。

 労働者教育協会常任理事の山田敬男さんが有事法制の問題点や小泉「構造改革」の問題点について講演しました。

 参加した大学四年生の小林文子さん(21)は「有事法制は『有事』というより『戦争』。怖いのは戦争を拒否することが犯罪といわれること。戦争には加担したくない」と話していました。

 


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