日本共産党

2002年4月30日(火)「しんぶん赤旗」

逃げる幹事長、コメントしない首相…

四月選挙が映し出した小泉政治


 報道陣の目を避けて幹事長室に入り、コメントを出しただけで会見も開かずじまいの山崎拓幹事長、外遊先のインドネシアで「幹事長がコメントを出しているので」とコメントさえしなかった小泉純一郎首相―二十八日投票の参院新潟補選、衆院和歌山二区補選、徳島県知事選の結果を受けての、政権を担う二人の対応です。小泉政治一年の評価が問われた選挙で、こんな対応しかできなかったところに、二年目に入った小泉政権の現実が映し出されています。

強気見せるが

 自民党は、トリプル選挙に先立つ横浜市長選で敗北し、京都府知事選では日本共産党推薦の森川明氏の大善戦の前に、衝撃を受けたばかりです。二十八日投票の選挙では、和歌山二区補選で辛うじて議席を確保したものの、参院新潟補選では当選者に二十万票もの大差をつけられて惨敗、徳島県知事選でも地元の自民党が支援する候補が敗れました。

 二十八日深夜、山崎幹事長に代わって記者会見した町村信孝幹事長代理は、「国政選挙は一勝一敗。小泉構造改革への批判を意味しているとは思わない」と強気の姿勢を見せました。

 しかし、和歌山で当選した自民党公認の石田真敏氏は、小泉「構造改革」について、「百パーセントいいとは思わない」とコメント。小泉首相がいくら「構造改革なくして景気回復なし」と叫んでも、いっこうに景気がよくならない現実は、現場で選挙をたたかう自民党候補自身がいちばんよく知っているのでしょう。

 四月選挙結果に共通するのは、「自民党を壊す」といっておきながら、一年たっても何も変わらないどころか、底知れない政治腐敗にまみれた自民党政治への批判でした。

 とりわけ、疑惑噴出にもかかわらず、人ごとのような態度をとりつづける、小泉首相への批判は厳しいものがあります。官房機密費の党略的・私的流用疑惑では、官邸責任者の首相自身が当事者なのに、他人に求めてきた「説明責任」さえ果たそうとしません。

強行突破狙う

 支持率急落が国民の意思として示された選挙結果。それでも小泉首相は「改革路線は微動だにしない」と強がり、郵政民営化問題で「自民党が小泉内閣をつぶすか、小泉内閣が自民党をつぶすかのたたかいだ」と、“抵抗勢力との対決”を演出するなど、政権浮揚に懸命です。小泉内閣にかかれば、国民に一兆円の負担増を強いる医療改悪も「改革の目玉」です。さらに、憲法を根底から破壊する有事立法を「国家存立の基本」と声高に叫び、右バネで求心力を高めつつ、強行突破をはかる構えをみせています。

 小泉首相が、選挙結果に示された民意をかえりみないまま、「改革路線」に突進すればするほど、国民との亀裂は深まり、広がるだけでしょう。(小)

 


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