2002年5月2日(木)「しんぶん赤旗」
日本共産党の志位和夫委員長は一日放送のCS放送朝日ニュースターの番組「各党はいま」に出演し、徳島知事選、新潟参院補選、和歌山衆院補選の結果について、小泉内閣一年をどう見るか、鈴木宗男疑惑や機密費問題、有事立法など後半国会の課題などについて、朝日新聞の星浩政治部編集委員の質問に答えました。
このなかで志位氏は、徳島県知事選挙の結果について「吉野川可動堰(ぜき)をめぐって住民の大きな反対のたたかいがあり、私たちと市民運動との連携も多面的に大きく広がりました。そのなかで今回、共闘の枠組みができ、他の野党とも力をあわせて勝利をかちとったのはひじょうに大きい」と指摘。新知事が、可動堰を止めると表明したことについて「心強い限りです」とのべました。
また、新潟でも党公認候補が得票率で過去最高を獲得したことを紹介。与党の候補が徳島と新潟で大敗を喫したことは、政界にも大きな影響を与えると指摘しました。
小泉内閣発足一年の総括について、志位氏は第一に、一年前に小泉首相が「自民党を変える」「自民党をぶっ壊す」とまでいい、国民の多くがその言葉に期待したが、「利権政治、癒着の政治は変えられるどころか、いよいよ底無しの様相になっています」とのべました。
第二に、「壊したものは自民党ではなくて、失業や倒産、社会保障切り捨てなど国民のくらしだった」と指摘。
第三に、テロ事件にさいしての報復戦争参加、有事三法案の国会提出と靖国参拝など憲法と平和を壊した点をあげ、「結局、小泉首相は『改革』といったけれど、古い危険な汚い自民党の政治とどこも違わない、国民の多くがいま『小泉政権の正体見たり』という状況になっている」と強調しました。
そのうえで小泉「構造改革」について、この一年で小泉政権が最優先でやってきたのは「不良債権の早期最終処理」だが、実際にすすんだのは、中小企業つぶしと地域経済を支えている信金・信組つぶしであり、不良債権はますます増える一方となり、「破たんはすでに証明ずみとなった」と批判しました。
政治腐敗の問題にふれた志位氏は、「癒着と利権の政治を壊してくれという国民の期待にたいし、それが一番悪い形で噴き出してきたのに、なんの手も打っていないのが小泉首相です」とのべ、鈴木・加藤疑惑でもすべて他人事の首相の対応をあげ、「いちばん腐った体質は温存したままだというのがはっきり出た」とのべました。
とくに鈴木疑惑について、公設秘書が逮捕された事態をふまえ、鈴木議員が国会の証人喚問で秘書のかかわりをいっさい否定した一点だけをとっても、「新たな偽証という問題が出てくる」と指摘。再喚問と議員辞職勧告決議案の本会議への上程を求めました。
さらに、官房機密費の問題、企業献金の全面禁止にかかわって、少なくとも公共事業受注企業からの献金はやめるべきであるのに、自民党がゼネコン団体に多額の寄付を要請したことをとりあげ、「この点でも全然反省が見られません」と批判しました。
後半国会にどうのぞむかについて、志位氏は、ひきつづく疑惑追及とともに、有事三法案と医療改悪法案をあげ、「二大悪法をくいとめることを大きな課題にしていきたい」と語り、有事三法案では連休明けの特別委員会を舞台にしたたたかいで、「正面から問題点をつく論戦をおこなっていきたい」とのべました。