2002年5月4日(土)「しんぶん赤旗」
憲法記念日の三日、「有事法制反対、改憲を許さない」と全国各地で集会が開かれました。東京では「生かそう憲法、高くかかげよう第九条 許すな有事法制」をスローガンに「2002年5・3憲法集会」が千代田区の日比谷公会堂で開かれました。
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東京の集会では、戦後初めて国会に有事法制法案が提出されるなか、「有事法制で本当に戦争になるのでないかと心配で」(男子高校三年生)など、さまざまな思いを胸に五千人がつめかけました。
開会の二時間前から二百人ほどの行列ができはじめ、開場時間には五百メートル余の列に。入場できなかった千人余の人びとは屋外に設置されたスピーカーからの訴えに聞き入ります。東京・杉並区からきた青年たちは「憲法の集会でこれだけの人が集まるんですね」と驚いていました。
拍手と歓声の中、日本共産党の志位和夫委員長、社民党の土井たか子党首、作家の小田実さん、埼玉大学名誉教授の暉峻淑子さんが次つぎスピーチしました。
志位氏は、有事法制の想定する危機とは、現実には米国の戦争への参戦でしかありえないと指摘。戦争協力をしない国民を罰する有事法制は、「思想・信条の自由」も憲法九条をも踏みにじるものであり、「憲法と有事法制は絶対にあいいれない」とのべ、「憲法を総破壊する有事法制を力をあわせて阻止しよう」と訴えました。
土井氏は、世界で日本国憲法の評価が高まっているなか、九条に反する有事法制が提出されたと批判し、「連休明けの国会で野党が力を合わせ、廃案に向けがんばる」とのべました。小田氏は、世界で広がる米国の無法な戦争への批判の声を紹介し、世界的視野から憲法を見つめ直し、生かそうと訴えました。暉峻氏は、「経済は人間のためにある」とのべ、「ホームレスがこれだけ生まれているなかでなにが有事法制でしょうか」と問いかけました。
国際反核法律家協会のカルロス・バルガス副会長が連帯あいさつし、日赤看護師、宗教者、教員など五団体の代表が「有事法制でどうなるか、職場と戦争との関係を見直そう」(全港湾労働組合)、「『うちらには関係ないじゃん』という青年にも考えてと訴えている」と発言しました。
この集会は、憲法改悪阻止各界連絡会議、許すな!憲法改悪阻止連絡会など各団体が共同し、実行委員会を結成し開いたもの。集会後、銀座までパレードしました。