2002年5月4日(土)「しんぶん赤旗」
5・3憲法集会(東京・日比谷公会堂)での集会アピールは次の通りです。
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日本国憲法は、戦争も軍隊もない平和と、誰もが個人として尊重され、自由で人間らしく生きられる民主的な社会を―との私たちの願いをこめて、一九四七年五月三日施行されました。それから五十五年、この憲法は、世界でも先進的なものとして二十一世紀の日本の羅針盤となる生命力をもっています。
しかしいま、この憲法は施行以来の大きな試練のときを迎えています。この一年、小泉首相は憲法の改悪を声高に唱え、テロ対策を口実にしたアメリカのアフガニスタンへの戦争を支援するため自衛隊の海外派兵に踏み切り、いまもインド洋に展開しています。くわえて小泉内閣は有事法制三法案を今国会に提出しました。この法案は、米軍と自衛隊が行う戦争に国民を強制的に動員するため、国会を無視し、地方自治体を指揮するなど首相に強大な権限を集中し、あらゆる面で憲法を破壊するものです。しかも、三年目をむかえた憲法調査会と歩調をあわせ、自民党などの改憲論議はますます強められ、憲法改正国民投票法案の国会提出もねらわれています。
「生かそう憲法、高くかかげよう第九条、許すな有事法制」の共通の思いをこめ、昨年からさらに共同の輪を広げて、きょう、私たちはここに集いました。憲法の改悪を許さず、第九条を守るためにも有事法制の企ては絶対に打ち破らなければなりません。すでに、戦争に動員される労働者、地方自治体関係者をはじめ、学者、弁護士、文化人、宗教者など広範な人びとが反対の声をあげ、憂慮と懸念も広がっており、アジア諸国からも厳しい批判の声がおこっています。
憲法第九条を高くかかげることこそ、これからの日本がすすむ道であり、アジアと世界の平和に貢献する私たちの誇りある使命です。憲法の改悪を許さず、第九条を守り、人権や自由が豊かに花開く二十一世紀にするために、みんなの力をあわせましょう。