日本共産党

2002年5月4日(土)「しんぶん赤旗」

厚生労働省の過労死予防通達とは?


 〈問い〉 厚生労働省が過労死などを予防する「総合対策」を通達したそうですが、どういうものですか。(大阪・一読者)

 〈答え〉 厚生労働省は今年二月、「過重労働による健康障害防止のための総合対策について」との通達を出しました。昨年末の新しい過労死認定基準で、長期の疲労蓄積を認定要件に加えたのを受けたものです。

 通達は、企業などに▽時間外労働の削減▽有給休暇の取得促進▽健康診断など労働者の健康管理徹底―を求めています。

 時間外労働は本来臨時的なものと確認し、月四十五時間以下とするよう求めています。労働基準法三六条による労使協定、いわゆる「三六協定」で月四十五時間を超える時間外労働を認めている場合にも適用します。月四十五時間以内でもさらに短縮を促し、裁量労働や管理職の過重労働防止も指摘しています。

 有給休暇については、各種助成制度の活用など、取得しやすい職場環境づくりや、具体的な取得促進を求めています。

 労働者の健康管理では、▽深夜業を含む業務には六カ月以内に一回、健康診断するなど、健康診断や保健指導の確実な実施▽時間外労働が月四十五時間を超えた労働者の情報を産業医に提供し、助言指導を受ける▽時間外労働が月百時間を超えたり、二カ月から六カ月の月平均で八十時間を超えた労働者は、情報を産業医に提供し面接による健康診断を受けさせる▽過重労働による疾病が発生したときは、産業医の助言や労働衛生コンサルタントの活用などで原因究明と再発防止を図る―などを求めています。

 また通達は、都道府県労働局と労働基準局に周知啓発、窓口指導、監督指導の徹底を求めています。労働基準法などに違反し過重労働で健康被害を出した企業には、法的処分も含め厳正に対処するとしています。

 この通達文書も活用した、長時間過密労働をなくす運動の強化を、全労連などが進めています。

 (清)〔2002・5・4(土)〕

 


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