日本共産党

2002年5月5日(日)「しんぶん赤旗」

未来の課題を子ども自身議論

きょうから国連総会前に


予防可能な原因で毎年1100万人死亡

 同時多発テロで延期されていた「国連子ども特別総会」が八日から十日まで、ニューヨーク国連本部で開催されます。世界の子どもの状況を話し合い、改善するための国際社会の行動目標を決定します。十人以上の国家元首・首脳を含む百七十カ国代表、約千団体の非政府組織(NGO)代表が参加します。国連の歴史で初めて、九十七カ国の政府代表団に十八歳未満の子どもたちが正式に加わっています。

 五日からは、政府代表に加わっている百七十三人を含む約三百人の子どもたちだけが参加・運営する「子どもフォーラム」が始まります。七日までの三日間、世界の子どもたちの状況の改善に子どもたち自身がどうかかわっていけるかを討議します。フォーラムで選ばれた二人の子どもが、総会本会議でその成果を発表します。

 一九九〇年に世界七十カ国の元首・政府首脳を含む百五十六カ国代表が参加してニューヨークで「子どものための世界サミット」が開かれました。そこで採択した「子どもの生存、保護、発達に関する世界宣言」と「行動計画」の二十七の目標がどれだけ果たされたかを確認し、さらに今後十年間の目標を決定することに、今回の特別総会の議題が設定されています。

 総会を前に改訂版が発表された国連事務総長報告『われら子どもたち』(オリジナルは昨年六月に発表)によると、子どもサミットの二十七目標のうち、五歳未満児の死亡率は世界で10%低下、六十三カ国が三分の一低下という目標を達成するなど、子どもの保健分野の六つの目標は達成されました。しかし、予防可能な原因で毎年世界中で一千百万人の子どもが死亡している、約一億五千万人の子どもが栄養失調状態、一億二千万人以上の子どもが義務教育の学校に通えず、一千万人が児童労働に従事、数百万人が紛争やその他の形の暴力にさらされているなど、大きな課題が残っています。

 今後十年間の目標は、二十一項目から構成される予定です。子どもサミット目標でやり残した乳幼児、妊産婦死亡率の低減、清潔な水、衛生施設の利用拡大、普通初等教育の確立などのほか、HIVエイズからの子どもの保護などに三目標を設けるなど、子どもを取り巻く状況の変化に伴った新たな課題も加えています。迫害、放置、搾取、暴力からの子どもの保護にも五目標を設定します。

(夏目雅至記者)

 


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