日本共産党

2002年5月8日(水)「しんぶん赤旗」

政府の新エネルギー法案をどう考える?


 〈問い〉最近、政府が提出した新エネルギー特措法案を、どう考えたらよいのでしょうか。(東京・一読者)

 〈答え〉 小泉内閣は三月、新エネルギー電気の一定量以上の利用を電力会社などに義務づける「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法案」を国会に提出しました。

 ところが、新エネルギーには廃棄物利用(政令で指定)が含まれ、しかも新エネルギーどうしの価格競争を前提としているため、風力や太陽光などの自然エネルギーよりも安価な廃棄物発電、特に廃プラスチック発電などを促進することになり、自然エネルギー導入のさまたげとなります。また、廃棄物の燃焼に依存するエネルギー政策は、ゴミ排出抑制に逆行するとともに、エネルギー起源の炭酸ガス排出を増加させかねないものです。

 自然エネルギーの導入促進は、地球温暖化対策としても、将来にわたって持続可能な社会にふさわしいエネルギーの利用形態としても、強く求められているものです。ドイツでは、九〇年代から、自然エネルギーによる電気をあらかじめ定められた固定価格で買い取ることを電力会社に義務づけた結果、風力発電の発電量は十年間に百倍以上、いまでは総電力量の3%を占めるまでになりました。

 電力分野での自然エネルギー導入促進のためには、廃棄物発電を支援対象から除外するとともに、電力会社の責任を明確にし、自然エネルギーによる電気をあらかじめ定められた固定価格で買い取ることを電力会社に義務づけることが必要です。

 なお、野党四党は共同で、廃棄物発電を除外し、自然エネルギーによる電気の固定価格での買い取りを制度化する対案を、衆議院に提出しました。政府案に対しては、日本共産党と社民党が反対し、民主党と自由党は賛成しました。(剛)

 〔2002・5・8(水)〕

 


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