日本共産党

2002年5月17日(金)「しんぶん赤旗」

北朝鮮脱出者

判断も通報も中国任せ

小泉議員が外務省追及

[質疑のポイント]


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質問する小泉親司議員=16日、参院外交防衛委員会

 日本共産党の小泉親司議員は、十六日の参院外交防衛委員会で、中国・瀋陽総領事館事件について、事実関係が衆参両院本会議の質疑でも明らかにならなかったとして、明確にするよう外務省に求めました。

 小泉氏は、阿南惟茂駐中国大使が八日の大使館内定例会議での発言で、「脱北者」と「不審者」を区別し、不審者にたいしては侵入を阻止し規則通り門外で事情聴取するとしていることを指摘。外務省が関係公館に伝達したという北朝鮮脱出者への対処「規則」では、両者のいずれかの判断を門外ですることになっているのか、とただしました。

 川口順子外相は「そういうことだ」と答弁。阿南発言が「不審者の侵入を阻止する」との政府方針にそったものであることを認めました。だれが両者を区別するのかとの小泉氏の質問に、小野正昭領事移住部長は、瀋陽総領事館では中国側の官憲、中国側の門衛、日本側の警備の三重のチェックが行われていることを明らかにしました。

 小泉氏は「脱北者」か「不審者」かの確認を中国側に任せていたのかとただしました。小野部長は「まず中国側官憲の目にとまるのではないかと思われる」と答弁。北朝鮮住民らしいとの判断であれば、日本側に「その旨を通報し、取り扱いについて照会することが期待される」と述べ、判断も通報も中国側任せであることが明らかになりました。

 北朝鮮脱出者の手紙を副領事が返してしまったことについて小泉氏は「外務省の伝達する『規則』に反するのではないか」と追及。川口外相は「五人が北朝鮮の人だと見当がついていた。事情をきちんと聞くべきだった」として、「その場で受け取っておいたほうが適切であった」と答えました。

 副領事が手紙を脱出者に返してしまったことを、国会への報告書に書かなかった点について川口外相は、「今から考えれば載っていたほうがよかったかなと思う」と述べました。

 


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