日本共産党

2002年5月18日(土)「しんぶん赤旗」

迷惑メール防止の法改正の効果は?


 〈問い〉 こんどの特定商取引法の改正で、迷惑メール対策が盛り込まれたそうですが、どんな効果があるのですか。

 (奈良・一読者)

 〈答え〉 今回の法改正は、電子メールによる一方的な商業広告、いわゆる迷惑メールについて、消費者が電子メールによる商業広告の受け取りを希望しないと連絡した場合には、再送信を禁止します。そして消費者が通信販売事業者らに拒否の意思を連絡する方法を、電子メールに表示するよう義務づけました。違反者には経済産業大臣などが是正指示や業務停止の命令を出し、命令に従わない場合には三百万円以下の罰金(法人は三億円以下)を科します。

 迷惑メールのほとんどが出会い系サービス(結婚や交際の異性紹介)やアダルトビデオなどの販売の商業広告です。いずれも特定商取引法の規制の対象に該当するもので、経済産業省の迅速な対応が求められます。今回の改正で罰則規定を導入したことは迷惑メールを抑制する効果があります。また今国会で大量に迷惑メールを送信する事業者に対する「特定電子メール送信適正化法」ができ、発信者への規制も強まっています。

 迷惑メールで被害・苦情が集中している一つは、電子メールの開封・廃棄による「時間の浪費」です。この問題については二月の省令改正で、電子メールの表題部(サブジェクト部分)に「!広告!」の表示義務を課したことにより一定改善されています。

 被害・苦情のもう一つは、携帯電話に一方的に送りつけられたメールの料金が受信者負担となることで、NTTドコモなどの料金システムの問題です。大量の迷惑メールでも「収益」を上げているとの批判を受け、ドコモは昨年八月から月に百二十円(約百通メール分)までの受信料を無料にしていますが、超える分は一通一〜二円の料金がかかります。二月から「!広告!」の表示義務も課されており、他の携帯業者のように一定文字まで無料にするなどの措置が求められています。

 (塩)

 〔2002・5・18(土)〕

 


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